HTML5 Webook
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ンティックWebは解決方法の一つであるが、現在の計算機処理性能では異分野データからの新しい知見の取得は容易ではない。したがって、現状は大量の表示データから必要とする情報や関連性が高いデータを自動選択・抽出して提示する技術や、Webアプリケーションを通じて異分野研究者が情報交換をする技術が有効である。上記の各種STARS技術のOSS化(図10)や3.6及び3.7のボリュームコミュニケーション技術は、異分野データの時空間連携を行うための様々なアプリケーション開発支援を目的としている。3.23次元WebGIS技術時空間データGISプラットフォームでは、基盤となる3次元WebGISツールの一つとして3D WebGISの一つであるiTowns(フランスMATIS/COGIT研究所によるOSS)を用いる。iTownsは3次元可視化ライブラリのデファクトスタンダードの一つであるthree.jsをベースに開発された3D WebGISツールであり、潤沢なthree.jsライブラリが利用できる。また、他の多くの商用または準商用3D WebGISツールに対してiTownsはOSSであるためベンダロックがないことから、研究者や開発者独自の目的に応じた柔軟な3次元可視化が可能である。筆者らはこれまで気象衛星雲画像、日射量、気温、湿度、風向・風速、降水量やDEM(数値標高データ)などのラスタタイル化された気象データや市区町村・町丁目境界データ、歴史的行政境界データなどのベクタタイル化された境界データをデータベース化し、APIとして提供してきた(図12)[78][79]が、これらはiTownsで利用可能である。また、2.4.2で述べたようにスケーラブルな時間管理ができるjQueryであるTimelineによりiTownsの時系列化にも成功している。今後は、上記の異分野データ連携の一つとして、3.4で述べる映像IoTシステムから得られるリアルタイム映像を3次元空間に時系列可視化することで、地理情報と映像のオーバーレイ(図19)を目指している。図17STARStouch時間拡大・縮小(ズームイン・ズームアウト)表示機能:左クリックで(1)から(4)へと連続的に20段階でズームインし、右クリックで(4)から(1)へとズームアウトする。図18NICTサイエンスクラウドビジュアライゼーションギャラリー:(1)部屋の様子、(2)部屋の様子、(3)WONMデータ収集画面、(4)縦型タッチパネル(STARStouch表示)(1)(2)(4)(3)74   情報通信研究機構研究報告 Vol.67 No.2 (2021)4 NICT総合テストベッドの新たな可能性に向けた研究開発

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