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(AQI)を予測[10]したり、交通障害イベントを予測する手法[11]を開発するとともに、国内外の大学や民間企業らと連携し、バイク等による交通公害を避けた安全で健康的なルート案内(ベトナム、図5)や、ドライブレコーダーの画像ログから危険な運転状況を抽出し運転業務管理に役立てる応用などについて検討を進めている。データ連携分析に基づくスマートサービス開発         3.1xDataプラットフォーム我々は、前節で説明した基盤技術を実装したxData(クロスデータ)プラットフォーム[12]を構築している。xDataプラットフォームは、リモートセンシングを始めとする様々な分野のセンシングデータやソーシャルビッグデータから、実空間のイベント情報を抽出し、横断的に利用可能な形式で集積するイベントデータウェアハウスと、それらの相関を発見・予測するデータマイニングや機械学習などのデータ連携分析機能を実装したAPI、これらを活用したアプリケーション開発を支援するツールによって構成されている。イベントデータウェアハウスには、NICTリモートセンシングデータを始め、環境、交通、健康等の様々な分野のセンシングデータから抽出した数百TBのイベントデータがアーカイブされている。xDataプラットフォームには、これらのイベントデータの収集・抽出・変換を行うデータローダAPIや、イベントデータの時空間統合や相関ルール発見を行う相関マイニングAPI、時空間相関パターンの機械学習を行う相関予測API及び予測結果からGISデータを生成・配信しルート探索やアラート通知を行うAPIが実装されている。プラットフォーム利用者は、これらのAPIを用いて、様々なデータを分野横断的に収集して組み合わせたり、相関データの発見や予測を行ったり、予測結果を使ってアラート通知やルート案内などの行動支援を行うスマートサービスの開発を行うことができる。また、xDataプラットフォームの利用者が、独自にデータを収集したり、データ連携分析モデルの調整や予測結果データの加工・配信をカスタマイズできるよう、APIライブラリや開発ツールを仮想化コンテナ(Docker)にパッケージ化した開発環境xData Edgeも提供している。xData Edgeをプラットフォーム利用者のサーバ等に配備し、利用者のデータやノウハウを活用した共創による課題解決を可能にしている。xDataプラットフォームの詳細については、4-3「xDataプラットフォームによるデータ連携スマートサービス開発」で解説する。3.2応用事例我々は、これまでに開発したデータ連携分析の予測モデルやデータセット、処理プログラムなどを応用分野ごとに整理した情報資産を作成し、情報資産を活用した安全・快適な移動や健康的な生活を支援する行動支援サービスの開発と社会実装に向けた取組を推進している。これまでに、環境品質短期予測や移動環境リスク予測、マルチメディアセンシングなど6種類の情報資産を作成するとともに、xDataプラットフォーム利用者による情報資産の変更を追跡・マージするリポジトリシステムをxDataプラットフォーム上に構築し、利用者向けに公開した。これにより、プラットフォーム利用者による情報資産の改善やアプリケー3•バイク等による深刻な交通公害→→ 住住民民のの環環境境意意識識をを高高めめ行行動動変変容容をを促促進進•環境監視網整備の遅れ→→ 普普及及ししたた携携帯帯端端末末をを活活用用しし迅迅速速・・低低ココスストトにに対対応応大大気気汚汚染染曝曝露露リリススククをを避避けけたたルルーートト案案内内(ベトナム)•予予測測結結果果例例(PM2.5の日最大値と関連画像)歩歩行行者者やや車車両両にによよるるデデーータタ収収集集PM2.5、PM10、O3、NO2、SO2、CO、UV、湿度、温度、GPS)•画像ログ•パーソナル環境センサ交交通通量量・・大大気気汚汚染染・・都都市市緑緑化化がが高高いい相相関関図5 マルチメディアセンシングによる交通公害対策1554-1 スマートデータ利活用基盤技術の概要

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