マップ形式などでアプリケーション向けに配信するためのAPIなどが実装されている。プラットフォーム利用者は、これらのAPIを用いて、様々なデータを分野横断的に収集して組み合わせたり、相関データの発見や予測を行ったり、予測結果を使ってアラート通知やルート案内などの行動支援を行うスマートサービスの開発を行うことができる。また、xDataプラットフォームの利用者が、独自にデータを収集したり、データ連携分析モデルの調整や予測結果データの加工・配信をカスタマイズしたりできるようAPIや開発ツールを仮想化コンテナ(Docker)にパッケージ化した開発環境xData Edgeも提供している。xData Edgeをプラットフォーム利用者のサーバ等に配備し、利用者のデータやノウハウを活用した共創による課題解決を可能にしている。本節では、xDataプラットフォームの構成要素の実装について説明する。2.2xData APIxData APIは、xDataプラットフォームによるデータ連携分析のフレームワークに沿ってアプリケーション開発を行うための共通機能を提供する。現在提供している主要なAPIを表1に示す。主要なAPIとして、イベントデータウェアハウス(EvWH)にイベントデータの収集・抽出・変換を行うデータローダーAPIや、イベントデータの時空間統合や相関ルール発見を行う相関マイニングAPI(FP-growth手法、SHUIM手法など)、時空間相関パターンの機会学習を行う相関学習・予測API(CRNN手法、LGBM手法など)などの分析APIがある。このほか、予測結果からGISデータ(リスクマップ)を配信するマップ生成・配信API、リスクマップに基づいてルート探索を行うAPIやアラート通知を行うAPIなどが実装されている。分析APIが実装している基盤技術については、本特集号4-1「スマートデータ利活用基盤技術の概要」及び4-2「Multi-modal and Crossmodal AI for Smart Data Analysis」で解説している。また、APIのリファレンスやサンプルの整備[6]も進めている。これらのAPIはWeb APIとして実装され、JSON-RPC v2.0のデータ形式で、xData Web API endpointのURLにHTTPS POSTすることで呼び出すことができる。利用申請により発行されるAPIKeyと秘密鍵ペアによる認証のほか、リクエスト元のIPアドレスによるアクセス制限も行っている。2.3システム構成xDataプラットフォームのシステム構成を、図2に示す。主な構成要素としては、イベントデータウェアハウス(EvWH)、Web経由でのAPIアクセスを提供するWeb API endpointとgateway、各種APIの実行モジュール群、外部のデータ提供元からイベントデータを収集(Extraction-Transform-Load: ETL)するデータローダー、Pythonプログラム統合開発環境Jupyter-表1 主なxData API図1 xDataプラットフォームの概要170 情報通信研究機構研究報告 Vol.68 No.2 (2022)4 スマートデータ利活用基盤技術
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