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xDataプラットフォームとxData Edgeを構成する各機能モジュールの実行に必要なバイナリや設定ファイル等は、コンテナ型仮想化技術(Docker)を用いてコンテナにカプセル化している。これにより、多様なユーザー環境に対し、機能モジュールのデプロイやロールバックを容易に行うことができる。また、xData Edgeでは、関連するコンテナをグループ化したコンポーネントの単位(図3の灰色部参照)でデプロイを行うことができる。例えば、利用者がマルチメディアセンシングの情報資産(後述)を利用する場合、MMS Data Server コンポーネントをデプロイすることで、関連するコンテナ(MMS Data Server APIやMMS Data Serverなど)をまとめてxData Edgeに組み込むことができる。これにより、利用目的に応じたxData Edgeの構成変更を簡単に行うことができる。さらに、機能モジュールのビルド・テスト・リリースを自動化する、CI/CD (Continuous Integration/Continuous Delivery) パイプラインにより、xData Edgeに組み込まれた機能モジュールを常に最新版に保つことができる。2.4アプリケーション開発モデルxDataプラットフォームのアプリケーション開発モデルを図4に示す。「情報資産」は、大気汚染予測、交通渋滞予測といった幅広な応用分野ごとに、処理プログラムや予測モデル、データセットなどをパッケージしたものである。情報資産カタログ(図5)では、情報資産の概要、分析手法の技術的特徴、動作環境、応用例などを紹介しており、利用者は目的に適う情報資産を選択することができる。現在、環境品質短期予測、煙霧越境汚染被害予測、マルチメディアセンシング、移動環境リスク予測、環境睡眠品質予測などの情報資産が掲載されている。図6に、環境品質短期予測情報資産による処理手順の例を示す。この情報資産では、大気環境のオープンデータやウェアラブルセンサで取得したデータなどを、「データローダー」で収集、変換してEvWHへ格納図6 環境品質短期予測情報資産による処理手順の例図4 アプリケーション開発モデル図5 情報資産カタログ172   情報通信研究機構研究報告 Vol.68 No.2 (2022)4 スマートデータ利活用基盤技術

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