項目言語名 *1母語話者数 *2言語系統 *3形態の類型基本語順 *4音素数 *5声調標準語 *6方言分布 *7正書法の字種 *8正書法の文字と書字方向 *9クメール語+,-,.ខ0រ km, khm16 M(16 M, L1+L2) オーストロアジア語族-モン・クメール語派孤立語SVONA9短母音+10長母音21子音なし北西部/プノンペン方言首都圏 (28%)北西部 (32%)南部 (12%)東部 (28%)表音文字固有文字 Brahmic(クメール文字)左→右ネパール語$$%%&&''(()) **''++''ne, nep, (尼)16 M(25 M, L1+L2)印欧語族-インド語派膠着語SOVAN5短母音+3長母音29子音なしカトマンズ首都圏方言ネパール語 (45%)マイティリー語 (12%)他表音文字デーバナーガリ文字 Brahmic左→右モンゴル語 Монгол хэл mn, mon5.2 M (モンゴル国 3 M)アルタイ諸語-モンゴル語族膠着語SOVAN7母音×長短19子音なしハルハ方言中央 (80%)周辺 (20%)表音文字キリル文字左→右固有文字(モンゴル文字)上→下(左先頭)ロシア語русский языкru, rus, 露(俄)154 M(258 M, L1+L2)印欧語族-スラブ語派屈折語SVOAN10母音(5硬母音+5軟母音)32子音なしモスクワ方言北部 (17%)中部 (53%)南部 (30%)表音文字キリル文字左→右アラビア語ةةييببررععللاا ةةغغللللar, ara, 阿/亜口語 313 M文語 274 Mアフロ・アジア語族-セム語派屈折語VSONA3母音×長短28子音なし現代標準アラビア語(文語)北部 (20%)西部 (24%)中央 (37%)南部 (19%)表音文字アラビア文字右→左ドイツ語Deutschde, deu/ger, 独(德)95 M(180 M, L1+L2)印欧語族-ゲルマン語派屈折語SVOAN14母音22子音なしハノーファーの方言(諸説あり)北部 (34%)中部 (22%)南部 (36%)他表音文字ラテン文字+付加記号(1上部記号)左→右イタリア語lingua italianait, ita, 伊(意)65 M(68 M, L1+L2)印欧語族-イタリック語派屈折語SVONA7母音21子音なしトスカーナ方言北部 (42%)中部 (18%)南部 (30%) 他表音文字ラテン文字+付加記号(2上部記号)左→右ヒンディー語778899::))hi, hin, (印)344 M(602 M, L1+L2)印欧語族-インド語派膠着語SOVAN3短母音+8長母音34子音なしデリー首都圏方言ヒンディー語 (26%)ベンガル語 (18%)マラーティ語 (6%)テルグ語 (6%) 他表音文字デーバナーガリ文字+付加記号(下点) Brahmic左→右ウクライナ語українська моваuk, ukr, 宇(烏)40 M(45 M, L1+L2)印欧語族-スラブ語派屈折語SVOAN10母音(5硬母音+5軟母音)32子音なしキーウ首都圏方言北部 (10%)中央部 (17%)東南部 (50%)西部 (23%)表音文字キリル文字左→右*1上から、日本語言語名、各言語自称、ISOの言語コード(ISO639-1、639-2T/B)、日本(中国)における言語の漢字略称を示す。「フィリピン語」はフィリピン共和国政府が国語として定める言語の呼称であり、言語学的には「タガログ語」に重なる。モンゴル語の固有文字は縦書きのみである。*2M: 百万人。L1+L2: 第1言語話者と第2言語話者の合計数。クメール語、ネパール語、モンゴル語、アラビア語口語、ドイツ語、ウクライナ語はWikipedia英語版かcensus、その他はEthnologue(2022年版)によった。アラビア語はアラビア語圏での共通語である現代標準アラビア語が開発対象である。基本的に文語のため、L1話者はいない。*3言語系統、形態の類型は諸説ある。*4文要素や品詞の定義・機能は言語によって異なるが、基本的に右を想定した。S: 主語、O: 目的語、V: 動詞、A: 形容詞(修飾側)、N: 名詞(被修飾側)。あくまで基本的な語順であり、言語によってはこれに従わない文、表現もよく使われる。*5標準語を対象とした。日本語、英語、韓国語、タイ語、フランス語、ポルトガル語、ヒンディー語はIPA Handbook[1]を、その他はWikipediaなどを参考にした。母音・子音いずれも数え方には諸説ある。ここでは、二重母音、介音や介音との合成音素、異音は原則として含まない。母音の長短は、独立した2つの単母音とみなされる場合もある。二重母音を含めないのは、単母音の組み合わせで表現可能なものが多く、また複合母音(母音連鎖)との区別が困難な場合があるためである。破擦音は、IPAで定義されていないためか、IPA Handbookの一部の言語では音素リストにないが、母語話者の直感を尊重してここでは含めた。ロシア語、ウクライナ語の硬音・軟音の対立は、母語話者の直感を尊重して異なる音素として数えたが、異音とする考え方もある。ミャンマー語では、介音との合成音素11個を子音数に加えた。他言語の介音にはない大きな変化がみとめられるからである。*6英語は北米、スペイン語はスペイン王国、ポルトガル語はブラジル連邦共和国の標準語が開発対象である。*7話者数の国別・地域別比率である。原則としてL1話者内で集計した。主に話されている国が一つの場合は、その国内での比率である。主に話されている国が多言語国家で当該言語の母語話者が過半数ではない場合は、国内での他言語を比較対象とした。韓国語は大韓民国の話者数に対する比率である(北朝鮮は含まない)。*8音しか表さない文字を「表音文字」、意味も表す文字を「表意文字」とした。表1 対象21言語の諸相18 情報通信研究機構研究報告 Vol.68 No.2 (2022)2 多言語コミュニケーション技術
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