みんなの自動翻訳@TexTraⓇの特徴みんなの自動翻訳@TexTraⓇ(以下、みんなの自動翻訳)は、情報通信研究機構(NICT)で研究開発している自動翻訳エンジンのWebサイトである:https://mt-auto-minhon-mlt.ucri.jgn-x.jp/当サイトは、無料で利用可能(非商用限定)である。また、NICTの技術移転先企業では、当サイトと同等の商用サービスを提供している。当サイトは、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語を中心に多言語に対応しており、一般的なWeb翻訳と同様に、誰でも簡単に使用できる。さらに、翻訳支援エディタをインストールなしで利用できるほか、WordやEcxelなどのオフィスソフトウェアのアドインが利用可能である。また、各種翻訳支援ツール(Trados等)から自動翻訳エンジンを呼び出すことができ、自分のプログラムから直接WebAPIを呼ぶこともできる。このように、みんなの自動翻訳は、簡便に活用することができる。みんなの自動翻訳の歴史みんなの自動翻訳は、2014年6月19日にオープンした。オープン当初は、統計的機械翻訳技術に基づく自動翻訳技術を提供していた。その後、2017年6月にニューラル機械翻訳(NMT)を導入した。表1には、みんなの自動翻訳に関するNICTからの発表を中心にリストしている。これらはみんなの自動翻訳サイトから確認できる。翻訳バンクによるNMTの高精度化表1を時系列で確認すると、NMTの導入により、自動翻訳が一気に実用化する様子が分かると思う。この実用化には、NMTだけでなく、「翻訳バンク」(https://h-bank.nict.go.jp/)が重要であった。「翻訳バンク」とは、外部機関からの寄付でNICTに翻訳データを集積し、自動翻訳の多分野化・高精度化を進める取組である。翻訳バンクでは、図1のように、NICTの自動翻訳技術の使用ライセンス料の算定の際に、提供が見込まれる翻訳データを勘案して負担を軽減する仕123みんなの自動翻訳@TexTraⓇは、情報通信研究機構で研究開発している自動翻訳エンジンのWebサイトである。当サイトは、無料で利用可能(非商用限定)で、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語を中心に多言語に対応しており、一般的なWeb翻訳と同様に、誰でも簡単に使用できる。当サイトは、翻訳バンクと連携して、翻訳バンクにご提供いただいた対訳を利用して、自動翻訳エンジンの高精度化を実現している。“Min’na no Jidou Hon’yaku @ TexTra®” is a website where machine translation engines are re-searched and developed by the National Institute of Information and Communications Technology. The services on the website are free and available for non-commercial use. The machine translation engines on the site are mainly available for four languages, Japanese, English, Chinese, and Ko-rean. The site also supports other languages. The site corporates with “Hon’yaku Bank” and uses the translation data provided to Hon’yaku Bank to improve the accuracy of the machine translation engines. 2-3 自動同時通訳技術2-3Automatic Simultaneous Interpretation Technology2-3-1 みんなの自動翻訳@TexTraⓇ2-3-1Min’na no Jidou Hon’yaku @ TexTra®内山 将夫UTIYAMA Masao572 多言語コミュニケーション技術
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