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ているのは「研普両道」すなわち「研究」と「普及」の両立である。研究開発においては、前例にとらわれないオンリーワン/ナンバーワンのコア技術を創出し、その技術を、広く使っていただける普遍の技術として研ぎ澄ませることに注力している。そして、それらの技術を活用した実証/実用システムを産学官の力を結集して開発・展開し、社会実装につなげるとともに、社会で生み出された知識源を研究開発へフィードバックする努力を積み重ねている。この研究開発と社会実装を循環するポジティブスパイラルを実現することにより、コア技術を、世の中で普通に使われる技術に進化させていきたい。そしてこれにより、国際ビジネス、高齢者ケア、環境リスク低減等における言葉の壁・知識の壁・データ利活用の壁をなくし、社会課題の解決や新たな価値創造等に貢献していきたい。本特集号では、「多言語」、「対話」、「行動支援」に関する3つのコア技術、すなわち、ビジネスで使える低遅延のAI同時通訳を可能とする多言語コミュニケーション技術、仮想的人格を用いてユーザの興味・背景に合わせた対話を可能とする社会知コミュニケーション技術、パブリック/プライベートデータを連携させた実世界の状況分析・予測を可能とするスマートデータ利活用基盤技術及びコミュニケーションの質を向上させる技術の研究開発とそれらの技術の社会実装に関する取組の詳細をご紹介する。謝辞初代研究所長 木俵 豊氏のご尽力により、第3期及び第4期中長期計画におけるユニバーサルコミュニケーション研究所の研究開発が大きな成果を得られたこと、また、現在のユニバーサルコミュニケーション研究所の礎が築かれたことに謝意を表する。内元 清貴 (うちもと きよたか)ユニバーサルコミュニケーション研究所研究所長/先進的音声翻訳研究開発推進センター研究開発推進センター長/先進的リアリティ技術総合研究室室長博士(情報学)自然言語処理【受賞歴】2001年 情報処理学会 2001年度(平成13年度)山下記念研究賞2   情報通信研究機構研究報告 Vol.68 No.2 (2022)1 緒言:ユニバーサルコミュニケーション研究所における研究開発について

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