92■概要オープンイノベーション推進本部では、平成28年度の発足以来、研究ネットワークの形成及びICTプラットフォームの構築を担うイノベーション創出のハブとして、NICTの研究開発成果を核にした産学官連携、地域連携、国際連携に取り組んでいる(図1)。技術実証や社会実証を可能とするテストベッドの充実、実践的なサイバー防御演習の開発・実施、知能科学領域における研究開発などを通じて、ICTの社会実装を推進し、新たな価値の創造を目指している。■主な記事オープンイノベーション推進本部は、NICTがこれまでに培ってきた研究成果や研究リソースを有効かつ戦略的に活用して、オープンな環境の下で様々な組織や活動と連携することで、ICTにより具体的な社会課題の解決を図るとともに、ICT分野における研究開発成果を社会が最大限享受できるようにすることを任務としている。任務の対象は、NICTの研究開発成果の直接的な社会展開のみならず、我が国のICT産業の競争力確保をも念頭に置いたICT全般の社会実装の推進を含むものであり、地域での問題解決、グローバルな視点での国際連携、最新技術の研究開発、技術実証に加えた社会実証、研究開発成果の供与、データの収集・蓄積・公開・共用、ICT人材の育成、ICTベンチャーの創出促進・支援など、非常に多岐かつ広範に及んでいる。令和2年度は、引き続き外部との連携の強化等を進め、研究開発技術とその応用についての普及啓発、研究成果の国際標準化や社会実装の促進、さらには、国内外の大学・研究機関との共同研究支援の強化等に注力した。加えて、国立研究開発法人情報通信研究機構法が改正され、2030年代のあらゆる産業・社会の基盤になると想定される、次世代情報通信技術Beyond 5Gの実現に必要な要素技術について、民間企業や大学等への公募型研究開発を実施することとし、要素技術の確立や国際標準への反映等を通じ、我が国の国際競争力強化等を図ることを目指す「Beyond 5G研究開発促進事業」を開始した。令和3年3月には「Beyond 5G超大容量無線通信を支える次世代エッジクラウドコンピューティング基盤の研究開発」の受託者を決定し、委託研究を進めた。今後も重点的に研究開発等を進めるべきと考えられる技術について、委託研究等を順次行う予定である。産業界学術機関地域社会海外テストベッドの充実人材育成国際連携と成果展開研究ネットワークの形成/プラットフォームの構築情報通信産業の振興産学官連携基礎的・基盤的なICTの研究開発研究開発成果の社会実証知的財産戦略標準化地域連携55つつのの研研究究群群図1 NICTが中核となって実現するオープンイノベーションの理念オープンイノベーション推進本部のロゴマーク3.9オープンイノベーション推進本部推進本部長(兼務) 中沢 淳一
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