94■概要戦略的プログラムオフィスは、オープンイノベーション推進本部ソーシャルイノベーションユニットにおける活動の中枢として、NICTの研究開発成果の普及や社会実装を常に目指しながら、課題の分析、戦略的な計画の立案と実行、効果の検証といった一連の活動を任務としている。戦略的プログラムオフィスの下には、研究企画推進室、地域連携・産学連携推進室を置き、それぞれの室の業務と戦略的プログラムオフィス直下で実施する業務とを合わせてその任務を遂行するとともに、令和2年度は引き続きNICT自主研究成果の展開について様々な取組を行った。■令和2年度の成果戦略的プログラムオフィスは、オープンイノベーション推進本部において、社会に直結するテーマに取り組む研究開発推進センター、ナショナルサイバートレーニングセンター、ナショナルサイバーオブザベーションセンター、研究センターと共にソーシャルイノベーションユニットの中に設置され、これらの組織と一体となってNICTの研究開発成果の普及や社会実装に向けた活動を戦略的に実施している。戦略的プログラムオフィスの下には、様々な制度面の対応などを行う研究企画推進室と地域連携と産学連携とを推進する地域連携・産学連携推進室の2つの室が置かれており、それぞれの室が有機的に連携しながら業務を実施している。さらに、オフィス自身も内部にオープンサイエンスの旗の下、世界の科学データを収容する分散データベース、世界データシステム事業のプログラムオフィスを擁する。令和2年度は新たな価値の創出や課題の解決に役立てるために、NICTの研究開発成果等を紹介するNICTシーズ集を改版した。これはNICTの研究成果を外部に普及させるためのツールの一つで、NICTが持つ技術を外部に広く宣伝するとともに、このシーズ集を基にNICT外の方々が持つ課題(ニーズ)とのマッチングを図るために使われる。NICT内には様々なシーズが存在するが、研究所等と議論を重ね、新たに1件のシーズを追加し、6月に第3版を発行した。NICTシーズ集は、NICT Webサイトに掲載され、令和2年度末には約3,390ダウンロード、令和元年6月の初版公開時からは約5,790ダウンロード(重複含む)となっている。このシーズ集は、より利用者目線の記述になるよう改訂するほか、掲載シーズ数を増やす方向で今後もアップデートを図る。さらに令和2年度は新型コロナウイルス対策に活用可能な「ニューノーマル時代に資する技術シーズ集」を緊急に作成し、令和2年10月に開催されたCEATECに合わせて公表した。令和2年度末時点で1,000回以上のダウンロードがあった。またNICTは、世界最大規模の国際学術機関「国際学術会議」(International Science Council:以下、ISC。国際科学会議(ICSU)から平成30年に改組)により「世界データシステム事業」(World Data System : WDS)の国図1WDS-IPO10周年記念式典(オンライン:令和2年9月23日)での国際学術会議Reddy会長(左)及びNICT徳田理事長(右)によるスピーチの様子(https://www.youtube.com/watch?v=QczKn4Pnrkcより)3.10.1戦略的プログラムオフィスオフィス長 西永 望ほか10名オープンイノベーションにつながる戦略立案・分析・検証
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