96■概要研究企画推進室は、NICT職員が研究開発等の様々な活動をする際に、倫理的な側面などで問題なく適切に行えるようにするための制度の整備や運用、NICTの知的財産戦略や標準化戦略の検討、研究開発成果の普及に向けた活動の具体化といった業務をNICT内外と連携しながら推進している。■令和2年度の成果研究企画推進室では、オープンイノベーション推進本部の下で各種の制度の業務運営の円滑化を図りつつ、標準化戦略や知的財産戦略の検討、研究開発成果の普及に向けた活動を行った。1.オープンイノベーション及び社会実装に向けた制度面での対応NICT職員が研究開発等の業務を進め、外部と連携し、また、研究開発成果を社会展開するうえで、関係法令などの遵守はもとより、一般社会に信頼され安心して受け入れられるように、社会的受容性の観点でも適正なマネジメントを行うことが必要である。研究企画推進室では、こういった制度面での対応のため、パーソナルデータ取扱研究開発業務審議委員会、利益相反マネジメント委員会、生体情報研究倫理委員会の事務局としての機能を果たしている。令和2年度は、新規委託研究開発課題「ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発」の提案課題等の多数の研究計画について、個人情報保護及びプライバシー侵害防止等の観点で審議し、リスクの低減を図った。2.標準化・知的財産戦略戦略的かつ重点的な標準化活動がNICTの研究開発成果の最大化のための重要な方策の一つであるため、イノベーション推進部門標準化推進室と共に平成28年度より標準化アクションプランを策定して、その後適宜適切な更新を行っている。このアクションプランでは、NICTが重点的に標準化に取り組む分野を特定し、具体的な行動計画等を定めており、令和2年度においても内容の現行化などの改訂に取り組んだ。また、ワイヤレスネットワーク総合研究センターが進める工場のIoT化の加速を目指した無線システムの協調制御と安定化技術の標準化活動を強力に支援するため、民間企業等と協力して設立したフレキシブルファクトリパートナーアライアンス(FFPA)の活動を積極的に支援し、SRF無線プラットフォームに関するFFPA技術仕様への適合性試験のための試験仕様を完成し、製品認証プログラムの準備を進めた。また、無線IoTの活用が見込まれる工場等における利用者に対し積極的な周知活動を行った。知的財産戦略としては、イノベーション推進部門知財活用推進室と共に知的財産戦略委員会の事務局としての委員会運営を行っている。令和2年度は、Beyond 5G研究に資する知的財産の活用等に関する審議を支援した。3.研究開発成果の普及に向けた活動NICTの研究開発成果の普及を図るための取組として、平成29年度に規程を制定した技術相談制度を運用し、NICT全体で8件の技術相談の実施に至った。技術相談は、企業等からの依頼を受けて、NICT職員が専門的知識に基づく技術的な助言等を有償で行う制度であり、今後、民間企業との連携拡大へとつながることが期待される。3.10.1.1研究企画推進室室長 足立 樹泰ほか3名オープンイノベーションに必要な制度面の対応や戦略の検討
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