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110■概要サイバートレーニング事業推進室は、当センターにおけるサイバーセキュリティ及びICTに係る人材育成事業を円滑に推進するための業務を担当する部署である。当センターでは、全国規模で毎年100回以上、累計約13,000人に対し実践的サイバー防衛演習「CYDER(サイダー)」を実施してきただけでなく、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連組織のセキュリティ関係者に対しても東京2020大会に向けたサイバー演習「サイバーコロッセオ」を実施している。さらに、若年ICT人材を対象に、若手セキュリティイノベーター育成プログラム「SecHack365(セックハック サンロクゴ)」を実施している。これら当センターが実施する演習等の事業を執行し、NICTの研究・開発成果を社会に還元するためには、以下の多種多様な業務を行う必要がある。・演習等予算の確保及び関係省庁等連絡調整 ・事業方針の企画及び立案 ・年間演習計画の策定 ・予算及び要員等執行管理 ・演習等支援業者の選定、契約及び管理 ・演習会場、演習設備及び募集システム等管理 ・受講生の募集、受付及び受講者決定 ・周知啓発、広報及び取材対応 ・外部問い合わせ、見学及び政務等の視察等対応 ・事業別実行委員会等(アドバイザリーコミッティー、CYDER実行委員会、サイバーコロッセオ実行委員会及びSecHack365実行委員会)事務局運営及び実施これらの業務は、当センターの事業執行の屋台骨を担う必要不可欠な業務であるうえ、事業規模の拡大に伴い、その業務量が飛躍的に増えているとともに、重要性は一段と高まってきている。■令和2年度の成果1.CYDER演習の着実な広がり平成25年度に開始されたCYDER演習は、当初、総務省を実施主体として東京都内を中心に年間受講者200人規模で実施されていた。NICTに移管された平成28年度以降、現実に起きたサイバー攻撃の最新事例を踏まえたコース別に異なるシナリオを提供するとともに、演習会場の一部を元来開催している県庁所在地から、受講が望まれる地域でも設定するなどし、より多くの受講機会を確保するための取組をしてきた。その結果、演習規模は飛躍的に拡大してきており、令和2年度における累計受講者数は13,000人を超え、国内最大規模の演習に成長した(図1)。令和2年度においては、コロナ禍における緊急的な措置及びCYDERの周知啓発の取組の一環として、過去のCYDER教材を期間限定(5/12~6/30)で提供したところ4,624名から申込があり、在宅勤務中の国民のセキュリティ能力の底上げに貢献した。また、7月以降は感染症対策を徹底した上で、全国47都道府県で合計106回の集合演習を開催し、2,648人が受講した。一方で、演習会場が遠方であること、日程が合わないことを理由とした未受講の地方公共団体等のニーズに応え、令和3年度に提供開始となる「オンライン演習」のβ版テストを1月から実施し、正式サービス提供に向け準備を進めている。また、平成29年度から実施してきた省庁への広報活動が実を結び、総務省が中央省庁関係者向けに実施する情報システム統一研修事業を昨年度に引き続き当センターが受託して、合計38名に対する演習を実施する(緊急事態宣言の発令で一部中止)など、CYDER演習の裾野は着実に広がってきている。図1 CYDER演習累計受講者数の推移年度3.10.3.1サイバートレーニング事業推進室室長(兼務)  湊  幸浩ほか12名セキュリティ人材育成を通じて、更なる社会の安心・安全に貢献

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