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4タ同化アルゴリズムの実装等を実施した。③「電磁波計測基盤技術(時空標準技術)」では、機構法第14条第1 項第3 号に定められている「周波数標準値の設定、標準電波の発射、標準時の通報」の業務を着実に実施した。また、インジウムイオン(In+)光時計とストロンチウム(Sr)光格子時計との周波数比較及び国際度量衡委員会(CIPM)推奨周波数の更新へ寄与するとともに、チップ型原子時計の開発を実施した。④「電磁波計測基盤技術(電磁環境技術)」では、複数のLED電球から発生する広帯域電磁雑音の測定を通して雑音要因の検討を行うとともに、テラヘルツ時間領域分光システムを用いた角膜のリアルタイム誘電特性評価法の確立及びテラヘルツ帯電波と生体組織との相互作用メカニズムの検証、市街地及び郊外における基地局周辺の電波強度の空間分布の統計量の評価を実施した。(2)統合ICT基盤分野①「革新的ネットワーク技術」では、ネットワーク構築制御自動化技術として、ネットワーク資源分配自動調停技術ARCA(Autonomic Resource Control Architecture)に対し、ネットワークモニタリング及び資源調整制御に関して高度なAIアルゴリズムを選択・利用可能とする機能拡張を実施するとともに、新たな識別子を用いた情報・コンテンツ指向型ネットワーク技術(ICN/CCN:Information/Content Centric Networking)に対して、マルチパス経路選択アルゴリズムやブロックチェーン・ICN連携機能の研究開発を実施した。②「ワイヤレスネットワーク基盤技術」では、プライベートマイクロセル導入による5G / ローカル5G可用性向上のためのアーキテクチャ・基地局構築の研究開発の成果として、鉄道環境での接続時間短縮、防災用途高精細映像伝送等を実証した。また、工場の無線運用形態を追求する企業との共同研究団体である「FFPJ」の活動において、企業間連携の下、実工場内でデータ取得と検証実験を主導した。さらに、基地局等による中央集中的な制御に依存しない無線アクセス方式である端末間通信の研究開発を継続し、過疎地域の高齢者見守りシステム応用の実証実験を実施した。③「フォトニックネットワーク基盤技術」では、超大容量マルチコアネットワークシステム技術として、空間多重信号分離素子を使用しないコア単位スイッチングが可能は12コアファイバ向けの低損失光スイッチを開発した。また、令和元年度に開発したフレキシブル光ノード技術を大手町-NICT本部(小金井)間のROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)ネットワークテストベッドに導入し、技術実証を実施した。さらに、多分岐・大容量光アクセスネットワークに向けた複数波長の光信号伝送技術の実証も実施した。④「光アクセス基盤技術」では、光と電磁波(超高周波等)を効率的に融合し、高密度かつ高精度な送受信・交換を実装するICTハードウェア基盤技術として、光・高周波クロストークが制御された高ロバストな送受信モジュール実装技術の開発を実施した。さらに、エンドユーザに対する通信の大容量化及び広帯域センシング信号の低遅延化等を実現する技術及び高速波形転送技術に係る基盤技術の研究開発等を通して、50 GHz帯域級アナログ信号に対応したシンプルな光・高周波相互変換を用いたコヒーレント100 Gbps級光無線シームレス伝送を可能とする研究を実施した。⑤「衛星通信技術」では、技術試験衛星9号機(ETS-9)での宇宙実証を目指し、静止衛星と地上局の間で10 Gbps級の世界初の伝送速度を実現する超高速光通信機器の製作を引き続き推進した。また、広域・高速通信システム技術の研究開発において、搭載フレキシブルペイロードの基盤技術として搭載DBFアレー給電部の系統誤差補正方式を検討し、デジタルチャネライザを用いたハイスループット衛星の周波数フレキシブル化について有効性を示した研究成果と、従来にないハイブリッド衛星通信システムの高効率運用制御技術について、周波数・エリア・RF-光フィーダリンク切替制御機能を総合的に模擬するシミュレータを開発し基本性能評価を実施するとともに大規模衛星通信ネットワークの制御モデルの有効性を確認した。(3)データ利活用基盤分野①「音声翻訳・対話システム高度化技術」では、モンゴル語の音声認識・合成技術を開発し、実証実験システムVoiceTra(ボイストラ)に搭載し一般公開した。NICTの公開自動音声認識(ASR)評価データセットSPREDS2の日本語音声を対象として、ASRと人間の文字起こし能力を比較し、速さと正確さの両面でASRの性能が人間の文字起こし能力を超えたことを示した。短い発話の話者認識制度を改善するため、有効な話者特徴量を抽出するとともに、多様なモデル構造を比較評価し、高精度なGreedy Fusion手法

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