1173 ●ソーシャルイノベーションユニット会議の下に設置された「AIステアリングコミッティー」での検討を踏まえ、我が国のAI関連の研究力をさらに向上させ、研究成果の社会実装を推進するため大学・公的研究機関などが相互に連携・補完することを目的に令和元年に設立された「人工知能研究開発ネットワーク」に、NICTは産業技術総合研究所及び理化学研究所ともに設立時から中核会員として参画している。令和2年5月には「AI Japan R&D Network」として統一ウェブサイトの運用を開始し、同ウェブサイトを通じてNICTの研究成果、AIデータテストベッド、人材募集及びシンポジウムの開催等、多岐にわたる情報発信を行った。また、知能科学融合研究開発推進センター長が令和2年度「人間中心のAI社会原則検討会議」に構成員として参加した。・翻訳バンクプロジェクトの推進先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)と連携して、多言語翻訳技術の研究開発のための対訳データを収集する翻訳バンクプロジェクトを推進し、ホームページの全面改定等を行った。また「第4回自動翻訳シンポジウム」をオンライン開催し、600名を超える視聴者に対して自動翻訳に係る研究の動向及び翻訳バンクの取り組みについて広く周知を行った。連携研究室 ・AIデータテストベッドの設計と開発AI及びICT分野の研究開発等に利用可能な7件のデータセットをデータ公開用Webサイトから追加公開し、1ジャンルを新設した。Wikipediaで学習した日本語BERT(パラメータ1.6億個)データは、他機関から公開済みのものより高性能であると評価され、公開後約10か月で2,743件のダウンロードを達成した。その他、利便性向上を目的として、あいまい検索機能のサービス提供を開始した。また、利活用基盤として、GPGPUサーバのスケジュラーサービスを開始し、AI初学者向けの深層学習実行アプリも開発した。・オープンイノベーション型研究プロジェクトの推進への寄与 NICT内部のAI×セキュリティの研究開発、AI×脳科学の研究開発及び革新的機械学習技術の研究開発としてAIに関連した研究開発の連携を推進した。特に革新的機械学習技術の研究開発においては、超高次元データへの深層学習適用を目的として、入力データの次元に対して対数時間で計算可能な量子インスパイアアルゴリズムを用いた正準相関分析法(qiCCA)を開発した。3.10.5 知能科学融合研究開発推進センター
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