HTML5 Webook
135/344

1273  ●ソーシャルイノベーションユニットオープンなトランスポートAPI(TAPI)に光統合ネットワーク関連のYANGモデルを拡張し、この拡張に基づいて異種トランスポート網間のオーケストレーション制御プロトコルの研究開発を行った。また、上記オーケストレーション制御プロトコルは、オープンなTAPIに基づいて研究開発されており、既存の異種網間の相互接続に対応可能である。3.キャリア間連携の促進 大規模災害時には、通信インフラが広く損壊し、通信キャリアが単独で大量の通信資源を短時間に調達・復旧できない恐れがある。今中期では、NICTが第三者仲介というモデルを提案し、複数のキャリアと連携して、キャリア網内の情報の漏ろう洩えいを防止しながら異なるキャリア網内の生残通信資源をキャリア間で相互利用する方式の研究開発を行っている。前年度までには、災害地域内利用可能な通信設備資源を利活用し、キャリア間に暫定共用パケット転送網を設計・制御する手法を提案した。複数通信キャリアが参加して、データ層及び制御管理層相互接続のフィージビリティを検証する実証実験を行った。さらに、資源共用以外に、キャリアが他のキャリアから支援された通信資源を排他的に利用する資源独占のアプローチも提案した。キャリア間での通信資源の需要と供給をマッチさせ、データ層キャリア間相互接続・パス支援の相互提供・独占利用における連携復旧戦略の策定技術を研究開発した。本年度は、前記技術に基づいて策定された連携復旧計画を執行するために、図3に示すように、第三者介在のキャリア間相互接続の自動制御管理を支援するプラットフォームを研究開発した。また、パス独占モデルでキャリア間相互接続時の故障を自動識別・管理する機能を開発し、実証実験を行った。今後、通信資源の相互提供にキャリア間で異なるポリシーを考慮したキャリア間連携などの課題で研究の深化を目指す。4.ロバストなテレメトリに向けて災害時に適切な物理網制御を行うためには、光網機器・光信号等の詳細な監視機能が必要不可欠である。このため、今中期計画では無線メッシュネットワーク、4G、衛星、インターネット等の多種多様なアクセス手段により建設された臨時C/M-Plane網を利用して、喪失した光網の監視機能を素早く再建するロバストなテレメトリ技術の研究開発を開始した。前年度までに、異種ベンダ監視デバイスをオープンなAPIにて共通の監視情報提供プラットフォームに統合する技術、光監視情報の優先順位を分析・区別する光網監視エージェント技術、監視情報の「トリアージ」技術、最適なテレメトリシステムを自動的に調整する技術を含むフレームワークに関する実証実験を行ってきた。令和2年度は、図4に示すように、前記フレームワークの研究開発を踏まえ、エージェントにおいて、光信号品質の分析機能、優先度に基づく分析結果を網管理機構に通知する機能を含む超大規模光網制御管理機構の分析負荷をオフロードする方法、監視情報の分析に応じて素早く災害や故障時にパスの迂回再設定と故障点の隔離を含む制御を研究開発した。本研究は、光網の情報収集・性能分析の可能性を実証し、次期中長期計画の光網故障検知・予測・制御技術の研究開発のベースを確立した。本課題は、日米連携プログラムJUNO2の一環として実施したものである。Planning −PlaneC/M−PlaneD−PlaneキャリアA網設計機構キャリアB網設計機構ESEN 第三者仲介設計機構キャリアAオーケストレータキャリアBオーケストレータESENオーケストレータキャリアA制御管理機構キャリアB制御管理機構ESEN制御管理機構キャリアA光パケットトランスポート網キャリアB光パケットトランスポート網ESENノードに経由で光パスをキャリア間相互提供APIAPIAPIAPIAPIRESTConf/TAPI YANGNETCONFRESTConf/TAPI YANG2.キャリア間連携における故障の⾃動識別管理技術を研究開発連携戦略の策定連携戦略執⾏・運⽤1.キャリア間需要のマッチングプラットフォームと連携できる第三者介在のキャリア間連携制御管理システムを研究開発⽣残資源の相互接続異種ベンダ相互接続により構成された暫定光ネットワークコレクタエージェント制御管理機構制御管理網緊急時有無線資源に基づいて構成された暫定制御管理網光ファイバ網ベンダAベンダB⽣残4G/5G, Internet等、輻輳、低帯域、不安定環境OPM FAUOPM データ重点地域監視情報送信1.優先度に基づく情報の収集、故障の識別と通知2.光パスの再設定3.故障の隔離と復旧図4光網監視におけるロバストなテレメトリフレームワーク技術図3キャリア間相互支援、相互接続の促進技術3.10.6 耐災害ICT研究センター

元のページ  ../index.html#135

このブックを見る