128応用領域研究室では、災害時に実利用に近い応用技術の研究を進め、社会での利用を進めている。当研究室では大規模災害にあっても切れにくい災害に強いレジリエントなネットワークの研究開発や社会実装を進めるワイヤレス通信応用プロジェクトと、災害の社会知をリアルタイムにわかりやすく整理し提供する研究開発及び社会実装を進めるリアルタイム社会知解析プロジェクトの2つのプロジェクトを行っている。ワイヤレス通信応用プロジェクト■概要本プロジェクトでは、第4期中長期計画において、大規模災害発生時の情報配信等、ネットワーク資源が限定される環境においても、ニーズに基づく情報流通の要件を確保するネットワーク利活用技術の研究開発に取り組んでいる。令和2年度は主に、地理的に離れた複数拠点間を結んで一つの大きな地域自営網で展開・動作する分散クラウド上のサービスの実証、即応可能な無線ネットワークのシステム実証などに取り組んだ。■令和2年度の成果1.地域ネットワークの高度化技術の研究開発これまでに開発してきた要素技術を分散型情報通信プラットフォームとして統合し、インターネットや携帯電話網を利用して、地理的に離れた複数拠点間(和歌山県西牟婁郡白浜町と宮城県仙台市)を結ぶ論理閉域網を形成した(図1)。それぞれの閉域網内にある仮想化された複数のサーバにおいて、分散型データ管理サービスを動作させることにより、閉域網内に保存されているデー図1 分散型情報通信プラットフォーム図2 即応可能な無線ネットワークの概要と実験風景3.10.6.3応用領域研究室室長 久利 敏明ほか8名災害に強いICTプラットフォームや社会知解析技術の社会実装
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