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134■概要当研究室では、ゲリラ豪雨や環境変化等、社会生活に密接に関連する実空間情報を適切に収集分析し、社会生活に有効な情報として利活用することを目的としたデータ収集・解析技術の研究開発を行う。また、高度化された環境データを様々なソーシャルデータと横断的に統合し相関分析することで、交通等の具体的社会システムへの影響や関連をモデルケースとして分析できるようにするデータマイニング技術の研究開発を行う。さらに、これらの分析結果を実空間で活用する仕組みとしてセンサーやデバイスへのフィードバックを行う手法及びそれに有効なセンサー技術の在り方に関する研究開発を行うことで、社会システムの最適化・効率化を目指した高度な状況認識や行動支援を行うシステムを実現するための基盤技術を創出し、その開発・実証を行う。■令和2年度の成果令和2年度は、xクロスデータDataプラットフォーム上の社会実装を進めるべく、プラットフォーム上に自ら研究やハッカソン等で開発した様々なデータ連携分析のベースモデル(環境品質短期予測、移動環境リスク予測、環境睡眠品質予測など)を活用し、プラットフォーム利用者による分散協調開発を行えるようにする技術の開発に取り組んだ。利用者が独自にデータを収集したり、相関分析・予測モデルの調整や予測結果に基づくデータ配信を、xDataプラットフォームのAPIやツールを用いてカスタマイズできる、データ連携分析モデルの分散開発環境xData Edgeを開発した。環境問題対策の実証実験を通じ、プラットフォーム利用者(実証パートナー)のサーバやクラウド環境に、APIや開発ツールを仮想化環境(Dドッカーocker)にパッケージ化したxData Edgeを配備し、利用者自らによるデータ連携分析モデルの開発を複数並行して実施し、xData Edgeによる分散開発の有効性を検証した。さらに、利用者がカスタマイズしたデータや処理の一部をプラットフォームにフィードバックすることで、自ら研究と連携しながらデータ連携分析モデルを強化・拡張する共創型の開発を実現した。具体的な取組として、自治体やスマートシティ等における環境問題対策支援の実証実験を行った。これまでにxDataプラットフォーム上に開発した環境品質短期予測モデルを、国内で環境基準が未達成の光化学オキシダントの対策支援に応用することに取り組んだ(図1)。実証パートナーの環境モニタリング事業者が、xData Edgeを用いて環境品質短期予測モデルのカスタマイズを行い、県・市管理測図1 xDataプラットフォームを活用した利用者共創型のデータ連携分析アプリ開発の例デデーータタのの追追加加収収集集•県・市管理測定局や周辺エリアの観測データ•前駆物質データ(NOx, NMHC)•時空間分布予測(CRNN)•時系列変動予測(LightGBM)相相関関学学習習デデーータタのの調調整整•データ結合単位(地区、測定局)•学習目標(汚染レベル、日内変動幅)予予測測結結果果のの変変換換処処理理のの追追加加•気象データに基づくスクリーニング(温度24℃以上, 風速3m/s未満など)•発令の確信度や時間帯の推定学学習習パパララメメーータタのの調調整整•業務フローに合わせた予測時間の設定(3~24時間後)•学習率、学習回数等の最適化公公開開デデーータタのの収収集集•環境省観測データ(Ox, NO2, PM2.5等)•気象庁観測データ(温湿度、風等)環境モニタリング事業者によるカスタマイズ(xData Edge)環境品質短期予測(xDataプラットフォーム)AAQQII短短期期予予測測予予測測結結果果のの変変換換・・配配信信•リスク値への変換•GeoJSON配信データローダ相相関関学学習習デデーータタ作作成成•地域メッシュ単位のデータ結合•欠損データの補完(IDW)リスクマップ生成・配信相関分析API・ツール•既存のテレメータシステムに組み込んだWebアプリを用いて、早期警戒(警戒解除)に活用光光化化学学オオキキシシダダンントト注注意意報報・・警警報報のの早早期期発発令令支支援援3.10.7.1ビッグデータ利活用研究室室長(兼務)  是津 耕司ほか10名データ連携分析による持続可能なスマート社会を目指して

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