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150■概要委託研究推進室では、「高度通信・放送研究開発委託研究」により、NICTが自ら行う研究と一体的に実施することで効率化が図られる研究課題について、外部の研究リソースの有効利用による効率的・効果的な研究開発を推進している。この委託研究の実施にあたっては、NICTが研究開発課題を示して公募し、外部有識者で構成される評価委員会の審査を経て受託者を決定している(図1)。また、新たな委託研究制度「革新的情報通信技術研究開発委託研究」を令和2年度から開始した。■令和2年度の成果高度通信・放送研究開発委託研究の推進令和2年度においては、前年度から継続して実施する研究課題29件に加えて、新たに4件の研究課題に着手した(詳細は、6.1.1参照)。NICTの研究者がプロジェクトオフィサーとして委託研究を統括し、NICTの研究開発と一体となった研究開発を行うことで、効果の最大化を図っている。研究成果として、論文発表226件、一般口頭発表378件、標準化提案46件及び産業財産権出願81件(国内49件、外国32件)が挙げられた。1.令和2年度に終了した研究課題の主な成果(1)未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発革新的なネットワーク基盤技術として新規性・独創性のあるネットワーク基礎技術やネットワークアーキテクチャに関する研究開発として、未来を創るために求められるネットワーク像の展望を試みる6個別課題を実施した。「IoTインタネットを支えるプライバシー保護ルーティング・輻ふく輳そう制御技術」では、IoTデバイスを位置などの属性で指定し、秘匿情報を含むセンサデータを、収集者の位置などのプライバシーを損なうことなく、収集可能とするルーティング、輻輳制御技術を開発した(図2)。(2)データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発新たな情報通信の技術的課題に対する研究開発・実証実験の実施において、分野横断的・産業横断的な統合・融合による地域課題の解決の加速、さらに、得られたデータが分野や産業を超えて広く利活用されるサービス基盤の構築等の具体的な提案を含めた、地域の多様なデータの連携・利活用のためのデータのオープン化及びその社会実装の促進を目的に、10個別課題を実施した。「スマートフォン用双方向性睡眠教育アプリを用いた子育て支援と乳幼児睡眠データ収集システムの構築」では、機械学習により助言を自動化したねんねナビⓇを用いた社会実証を多拠点で行い、睡眠改善による発達促進効果を確認した(図3)。図1 委託研究のスキーム図2 プライバシーを保護する属性ルーティング図3 ねんねナビⓇの社会実証3.11.2委託研究推進室室長  青木 美奈ほか22名民間企業や大学等の研究リソースを活用した研究開発の推進

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