154■【概要】知財活用推進室は、NICTの研究開発活動の成果を広く社会に展開することを目指して、技術移転等の促進を図るための活動を行っている。発明創出段階における適切な知財の保護から、その活用としての技術移転契約等に結び付けるまでの知財サービスを、研究者との連携を取りながら一貫して行うことで、自己収入の拡大及びオープンイノベーションの創出に貢献する。具体的には以下の業務を行っている。1.知的財産の適切な管理 (1)「特許検討会」における出願、審査請求、維持等の審査及びその結果を踏まえた特許庁への手続きを着実に実施する。 (2)オープンイノベーション推進本部及び戦略的プログラムオフィスと連携し、「知的財産戦略委員会」(知財収支の適正化等の検討)の運営への協力・支援を実施する。外国特許出願は、同委員会の要否判断に基づき、手続き等を着実に実施する。2.技術移転の効果的な推進 (1)各研究部署担当の「技術移転コーディネータ」が、研究者と連携を取りながら、技術移転活動を推進する(図1)。(2)デプロイメント推進部門と連携して、NICT発ベンチャーに対する特許権の実施等の契約締結を実施する。(3)特許の出願、登録、実施、譲渡時の補償金の支払いに係る手続を実施する。 3.知財法務の着実な実施 知財実施許諾等の各種契約における交渉・調整業務及び研究所等が締結する共同研究契約等の調整支援業務を着実に実施する。 ■令和2年度の成果1.知的財産の適切な管理 ・「知的財産戦略委員会」での議論を踏まえ、外国特許出願の適切な要否判断の運用を推進した。また、出願から10年を経過した特許の再評価も着実に実施した。・研究所と協力して、音声認識、対話システム、秘密計算、(ローカル/高度化)5G / B5G、衛星通信、テラヘルツ、光ネットワーク、の技術分野で研究開発戦略や特許出願戦略に資するための特許出願動向調査(パテントマップ分析)を実施した。・知財戦略委員会の中で知財活動に関するアンケートを実施し、集まった意見や課題を踏まえ知財ポリシーの見直しと各研究分野に共通する知財戦略の議論を推進するとともに、知財の権利化・維持・放棄に関わる判断プロセス等の見直しを進めた。2.技術移転の効果的な推進(1)令和2年度の新規有償実施契約27件(令和元年度42件)を締結するとともに、知的財産収入はコロナ禍により減少するものの135百万円(令和元年度210百万円)を達成した。この結果、今中長期目標期間の合計では 748百万円(平均年額150百万円)となり、前期5年間の平均年額78百万円に比べて図1 技術移転活動の取組家庭で楽しむ事業所で活躍社会インフラとして利用NICT研究者利用シーンの例この特許(技術)に興味があるこんな技術はないか?技術移転コーディネータにご相談ください製品の製造・販売やサービス提供が可能試料やソフトウェアをお試し頂けます企業とNICTの両社で研究開発します御社の秘密をお守りします秘密保持契約許諾・譲渡契試用契約共同研究契約企業商品企画研究成果(知財)企業問合せ問合せ調整相談技術移転のイメージ技術移転までの道のり高低技術の完成度3.11.4知財活用推進室室長 永塚 守ほか15名NICT研究開発成果の社会展開に向けて知財の保護と活用を促進
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