1633 ●オープンイノベーション推進本部また令和3年度開始分の新規共同研究の公募*3を行った。欧州委員会、総務省と共同で取り組む日欧国際共同研究については、2016年に開始した共同研究1件*4(ICTロボティクス分野)のFinal Review及び2018年に開始した共同研究2件*5(IoT用セキュリティ分野、Beyond 5G分野)の2nd Reviewをオンラインで実施したほか、欧州で新たに開始されたHorizon Europe (2021~2027年)の下での新規日欧共同研究のテーマ選定作業等を継続した。3.アジアでの国際共同研究と成果展開の推進NICTがASEAN域内の研究機関・大学等と共同で運営する研究連携組織「ASEAN IVO(ICT Virtual Organization of ASEAN Institutes and NICT)*6」は、ASEAN地域における認知度が高まり、68機関*7(前年度比+8)が参加する大きな共同研究体へ成長した(図4)。その下で、ASEAN共通の社会課題に対するICTソリューションを追究する共同研究開発プロジェクト17件*8(2017〜2020年度開始)を推進した。例えば、スマート灌かん漑がい、泥炭地火災監視、都市型農業に関するプロジェクトでは、それぞれの環境に適したセンサを開発して、水田、泥炭地監視タワー、垂直栽培棚などに設置・検証する等の活動を行った(図5)。ASEAN IVO開始以降、累計28件のプロジェクトを実施し、延べ168機関292名が参画している。また、翌年度開始プロジェクトを形成するために毎年ASEAN IVO Forumを開催しているが、ASEAN IVO Forum 2020を初めてウェブ上*9で開催し(当初、ヤンゴン(ミャンマー)での開催を予定)、参加者から、食料、環境保護・防災、安心・スマートコミュニティ、健康・福祉等の分野を対象とする計38件(昨年比+8)のプロジェクトのアイデアの発表が行われた。ウェブ上で活発な議論やグループ形成が行われた結果、46件(昨年比+12)の新規プロジェクトの提案がとりまとめられ、運営委員会においてそのうち5件を採択することを決定した。また、ASEAN IVOで得られた成果を広く発信するとともに、研究者間の連携を更に促進するため、ソーシャルメディアによる情報発信を開始した:@aseanivo*10 on Twitter、ASEAN IVO Members Group*11 and Alumni Group*12 on LinkedIn 。台湾NARLabs(国家実験研究院)との間では、2019年度に開始した2件の共同研究を推進したほか、令和2年度開始プロジェクトを形成するためのNICT・NARLabs国際共同ワークショップをオンラインで開催し(図6)、その後の審査により3件のプロジェクトを採択した。4.成果展開国際プロジェクトの創出と推進国際展開ファンドプログラムを運営し、成果の国際展開を目指すNICT内部からの提案7件を採択して実施した。タイでの光半導体バイオセンシング技術やフィールド用IoTノードの開発、音声認識の対象言語をモンゴル語、カザフ語、チベット語等に拡張する取組などを加速した。耐災害ネットワーク技術(NerveNet)については、同技術をスマートシティ基盤として実証するプロジェクト(スリランカ)及び山間地域の耐災害情報共有基盤として実証するプロジェクト(ネパール)が、各国政府からAPT(アジア太平洋電気通信共同体)に提案・採択されており、令和3年度からの現地実証に備えて、実証システムの構成や実証方法等に関する検討を行った。*1https://sites.google.com/view/us-japan-workshop/home*2https://www.nict.go.jp/info/topics/2020/09/01-1.html*3https://www.nict.go.jp/collabo/commission/20200911kobo.html*4https://www.nict.go.jp/press/2016/11/01-1.html*5https://www.nict.go.jp/press/2018/07/02-1.html*6https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/*7https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/members.html*8https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/Project_List_of_ASEAN_IVO.html*9https://naivo.org/*10https://twitter.com/aseanivo*11https://www.linkedin.com/groups/13944709/*12https://www.linkedin.com/groups/13951175/図4 ASEAN IVO の実施プロジェクト数と加盟機関数81319242827365456680204060802016年度2017年度2018年度2019年度2020年度累計プロジェクト数ASEAN IVO加盟機関数図5 ASEAN IVO プロジェクト3件によるフィールドでの実験風景 [左から] ブルネイの水田に設置された気象センサや灌漑装置、気象センサを設置したマレーシアの泥炭地の監視タワー、インドネシアにて垂直栽培棚に生育監視装置を取り付けるブルネイの研究者図6 NICT-NARLabs Joint Workshop(令和2年7月、NICT本部)3.12 グローバル推進部門
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