HTML5 Webook
27/344

193観みる●センシング基盤分野長可変性を付加したVCSEL (Vertical Cavity Surface Emitting LASER)の開発を開始した。また、長期ドリフトを大幅に抑制した小型化ガスセルの開発に成功した。(4)電磁環境研究室・複数のLED電球から発生する広帯域電磁雑音の測定から、LED電球の個数増加と電磁雑音のスペクトラム増加との関係、電球の種類や設置位置の変化に対する電磁雑音波形を得て、それらの要因を検討した。・テラヘルツ時間領域分光システムを用いた角膜のリアルタイム誘電特性評価法を確立するとともに、高強度のテラヘルツ帯電波ばく露による誘電特性の変化と眼細胞に障害を生じる温度との関係を明らかにして、テラヘルツ帯電波と生体組織との相互作用メカニズムを検証した。・日常生活における電波環境を網羅的に明確にするために、過去に電波環境測定を実施した場所における電波環境の測定を新たに行い、過去と現在との相違点を我が国で初めて定量的に明確化するとともに、市街地及び郊外における基地局周辺の電波強度の空間分布の統計量を評価した。(5)電磁波応用総合研究室・非破壊センシングプロジェクトでは、神奈川県藤沢市所蔵の長谷川路可作のフレスコ画「イタリアの想い出」の調査をテラヘルツ波時間領域イメージング技術を用いて行い、作品内部の支持体の構造等を可視化した。・NICT独自の技術であるホログラム印刷技術の開発プロジェクトでは、プリンターの縮小光学系で発生する歪ひずみをデジタル的に補正する手法を新たに開発し、プリントした光学素子の精度を向上させた。また、デジタルホログラフィ撮像系を新たに開発し、標識された分子など、複数波長の蛍光を3次元動画観察することに成功した。2.研究所共通の活動(1)研究・観測施設の運用「沖縄電磁波技術センター」、標準電波を送信する「おおたかどや山標準電波送信所」及び「はがね山標準電波送信所」、電離圏観測を行う「サロベツ電波観測施設」及び「山川電波観測施設」、「大宜味電波観測施設」等を運用し、研究開発及び定常業務の実施に資した。(2)シンポジウムの開催電磁波研究所における最新の研究成果を紹介し、次期中長期計画への課題を展望するため、令和2年11月27日に「NICT電磁波研究所シンポジウム2020 ~Beyond 5G / 6G時代を切り拓ひらく電磁波技術の未来~」を開催し、Zoomウェビナーを使って配信した(図1)。当日は、招待講演1件を含む計7件の講演に加え、バーチャルラボ紹介、自由討論を行い、一般企業、省庁、大学などNICT内外から326名の参加者があった。(3)広報活動計8件の報道発表を行い、TV・ラジオ番組等に10件取り上げられ、新聞や雑誌にそれぞれ153件、24件の記事が掲載された。また、延べ176名の視察・見学依頼に対応した。新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、鹿島宇宙技術センター及び沖縄電磁波技術センターにおけるオープンハウスの開催は見送った。(4)研究成果の外部への出展令和3年3月17・18日にパシフィコ横浜で開催された「第25回震災対策技術展(横浜)」に出展し、宇宙天気に関する当研究所の研究成果をアピールした(図2)。(5)次世代安心・安全ICTフォーラムにおける活動「次世代安心・安全ICT フォーラム」は、ICTを利用した安心・安全な社会の実現を目指した取組を産学官の連携により推進することを目的として平成19年に設立された。当研究所では平成22年度からこの活動に参画するとともに、事務局も担当している。令和3年3月18日に「災害・危機管理ICT シンポジウム2021」をパシフィコ横浜にて開催し、全3件の講演に対して会場・オンラインで合計75名の参加者があった(図3)。図1NICT電磁波研究所シンポジウム2020(令和2年11月27日、NICT本部よりリモート配信)図2第25回震災対策技術展(横浜)(令和3年3月17・18日、パシフィコ横浜)図3災害危機管理ICTシンポジウム2021(令和3年3月18日、パシフィコ横浜)3.1 電磁波研究所

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る