HTML5 Webook
288/344

280ワークの実現に向けて、量子鍵配送で共有された暗号鍵を伝送装置からネットワークルーター、ユーザー情報端末までネットワークの各階層に安全に供給する量子鍵配送プラットフォーム構築・活用技術、伝送効率と安全性のバランスを適応的に設定可能な量子光伝送技術等の研究開発を行う。また、量子鍵配送プラットフォームを現在の通信インフラと融合させ、フィールド試験等により総合的なセキュリティシステムとしての実用性を検証する。さらに、光空間通信テストベッドにおいて量子光伝送技術の原理実証を行う。なお、令和元年度補正予算(第1号)により追加的に措置された交付金については、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上の実現のために措置されたことを認識し、量子セキュリティ技術に関する社会実装研究のために活用する。また、令和2年度補正予算(第3号)により追加的に措置された交付金については、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の一環としてポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るために措置されたことを認識し、衛星量子暗号通信に必要となる鍵処理用デバイスの検証環境構築のために活用する。イ 量子ノード技術データセンターネットワーク等におけるノード処理の多機能化や超低損失・省エネルギー化をもたらす量子ノード技術を実現するための基礎技術として、光量子制御技術、量子インターフェース技術、量子計測標準技術等の研究開発を行う。光量子制御回路の高度化・小型化基盤技術及び量子計測標準による精密光周波数生成・評価技術を確立するとともに、量子インターフェースの原理実証を行う。⑵ 新規ICTデバイス技術革新的なICTデバイス技術により、ICT分野に留まらず幅広い分野に大きな変革をもたらすため、酸化物半導体や深紫外光等を利用した全く新しいICTデバイスの研究開発を進めるとともに、研究開発成果の普及や社会実装に向けた取組を行う。ア 酸化物半導体電子デバイス地球上の更に幅広い場所で快適にICTを活用できる社会や、電力のこれまで以上の効率的制御による省エネルギー社会の実現を目指し、酸化物を中心とする新半導体材料の開拓に積極的に取り組み、その優れた材料特性を活かした新機能先端的電子デバイス(トランジスタ、ダイオード)を実現する。酸化ガリウムを利用した高効率パワーデバイス、高周波デバイス、高温・放射線下等の極限環境におけるICTデバイス等の基盤技術の研究開発を行うとともに、民間企業に研究開発成果の移転を図るなど実用化を目指す。イ 深紫外光ICTデバイス従来の可視・赤外半導体技術では達成できない機能を備え、情報通信から殺菌、工業、安全衛生、環境、医療分野に至るまで、幅広い生活・社会インフラに画期的な技術革新をもたらす深紫外光ICTデバイスの実現に必要な基盤技術の研究開発を行う。さらに、従来に無い水銀フリー・低環境負荷かつ高効率・高出力な深紫外小型固体光源を実現するための技術や、その社会実装に必要な技術の研究開発を行う。なお、令和2年度補正予算(第1号)により追加的に措置された交付金については、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の一環として、治療薬・ワクチンの開発の加速を図るために措置されたことを認識し、紫外線照射技術の開発及び実証のために活用する。⑶ フロンティアICT領域技術将来の情報通信システムにおいて想定される通信速度やデータ容量、消費電力の爆発的増大等の課題の抜本的な解決に向け、新規材料やその作製手法の研究開発及び高度な計測技術等の研究開発を行うことによって、革新的デバイスや最先端計測技術等の実現を目指す。また、ICT分野で扱う情報の質や量を既存の枠組みを越えて拡張し、新しい情報通信パラダイムの創出につなげるために、生物が行う情報通信を計測・評価・模倣するための基礎技術の研究開発を行う。ア 高機能ICTデバイス技術高速・大容量・低消費電力の光通信システムや広帯域・高感度センシングシステム等を実現するため、原子・分子レベルでの構造制御や機能融合等を利用してICTデバイスの新機能や高機能化を実現する技術の研究開発を行う。また、小型超高速光変調器等の実用化に向け、超高速電子-光変換素子等の動作信頼性及び性能を飛躍的に向上させる基盤技術の研究開発を行う。さらに、超伝導単一光子検出器の広範な応用展開を目指し、可視から近赤外の波長帯域で80%以上の検出感度を実現するための技術や、更なる高速化に必要な技術の研究開発を行う。

元のページ  ../index.html#288

このブックを見る