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304・温室効果ガス等の衛星ビッグデータなどから、新たなビジネス価値を創造するデータアルゴリズムの研究開発を行い、次世代の衛星観測計画への貢献も検討する。ウ 非破壊センシング技術・社会インフラや文化財の効率的な維持管理等に役立つ、マイクロ波から近赤外までの広帯域の電磁波を用いた非破壊センシング技術を社会展開する。また、将来的な観測データ利活用に役立つ拡張現実技術用光学素子の開発に寄与するホログラム印刷技術の実用化に向けた研究開発を促進する。⑵ 宇宙環境計測技術・AI技術を利用した電離圏パラメータ自動抽出の高度化を行う。また、大気電離圏モデルのデータ同化プロトタイプを構築する。タイ・チュンポン設置のVHFレーダーを用いたプラズマバブル監視・可視化システムの構築を推進する。・宇宙天気予報業務に用いることのできる衛星搭載宇宙環境センサーの概念設計を進める。磁気圏シミュレーション結果を用いた詳細なオーロラ予報の発信を開始する。・アンサンブル太陽風到来予測モデルを宇宙天気予報業務に使用するためのシステム化を進める。航空機被ばく推定システムWASAVIESについて、一部入力データが欠測でも計算可能なシステムに改良する。⑶ 電磁波計測基盤技術(時空標準技術)ア 標準時及び標準周波数の発生・供給技術・標準時発生・分散構築技術の研究においては、精密な原子時計を有する4か所の局(本部、神戸副局、標準電波送信所2局)の全ての時系を合成した新たな時系を定常的に発生させ、これを各局固有の時系と比較して最適化を行うことでより高安定な合成原子時を発生させるシステムを開発する。また災害に強い時刻供給を目的に、本部や神戸副局からの効果的な標準時の供給体制を整備する。イ 超高精度周波数標準技術・光周波数標準については、必要に応じて日本標準時の周波数調整に寄与しつつ、当該調整を定常的に実現するための課題を見極めるとともに、国際的な貢献として、定期的な国際原子時校正に取り組む。また、秒の再定義への基礎データとなる機構内外の光周波数標準間の周波数比較を実施する。・衛星双方向時刻・周波数比較用次世代モデムについては、アジア内の光時計による時系の構築を想定した場合に必要となる時刻比較リンクの運用に向けて、長期安定性や精度などの技術要求を検証する。また、全球測位衛星システム(GNSS)を用いた時刻比較については、安価に多周波利用ができるマルチGNSS受信機を利用した時刻比較装置を開発する。さらに、準天頂衛星システム(QZSS)による高精度な時刻周波数比較を想定した基礎研究に着手する。加えて、国際科学衛星プロジェクトACESの進捗に合わせて無線局の準備等を引き続き進める。ウ 周波数標準の利活用領域拡大のための技術・広域時刻同期については、マイクロ秒以下の精度で日本標準時に同期するための手法についてその有効性を検証する。・テラヘルツ周波数標準技術については、一酸化炭素分子安定化3THz波長標準器の確度評価を実施するとともに、既存のテラヘルツ測定機器の校正を目的として開発した小型・可搬型0.3THz標準器の特性評価を行う。また、周波数校正業務のテラヘルツ帯への拡張と国際相互承認に向けて検討する。・周波数標準の可搬性向上については、原子時計のチップ化に向け、高コントラスト化技術の確立とそれを用いた自立発振系の構築を検討するとともに、材料レベルから原子時計チップを構成する部品を改良して、更なる高性能化・低コスト化を推進する。⑷ 電磁波計測基盤技術(電磁環境技術)ア 先端EMC計測技術・複数の省エネ電気機器等から発生する広帯域電磁妨害波の測定を行うことにより、雑音発生メカニズムを検討するとともに、電磁干渉評価のための確率モデルを検討する。また、近接電磁耐性評価用広帯域アンテナの発展・改良版試作に向けた技術的課題を明らかにし、設計を行う。さらに、広帯域不要発射に対する高速スペクトル測定装置の性能評価を広帯域スプリアス測定場において行う。・家電機器等からの周波数30MHz以下の放射妨害波の測定法について、測定する上での課題を明らかにするとともに、解決策を検討する。また、超高周波電磁波に対する較正技術について検討するとともに、170GHz~220GHz

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