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30911.2 国立研究開発法人情報通信研究機構における令和2年度の業務運営に関する計画(令和2年度計画)11中長期計画、年度計画・今中長期計画期間中に開発した様々な深層学習ベースの質問応答技術を現在公開中のWISDOMXに導入し、一般公開する。次いで、次世代音声対話システムWEKDAに、これまで開発した仮説生成技術を導入するとともに、文脈処理技術、質問応答技術、仮説生成技術等の高度化を行う。また、モデルパラレルによって巨大ニューラルネットの高効率な学習、活用を可能にするGPGPU利用技術の更なる高度化を図る。さらに、SIP第2期で採択されたプロジェクト「Web等に存在するビッグデータと応用分野特化型対話シナリオを用いたハイブリッド型マルチモーダル音声対話システムの研究」を推進する。加えて、以上の取組に必要な様々なコーパス、言語資源の整備を行う。・対災害SNS情報分析システムDISAANA、災害状況要約システムD-SUMMに導入した深層学習の高度化改良、学習データ増強による高精度化を行う。また、DISAANA、D-SUMMをクラウド上で動作させる機構を開発する。さらに、SIP第2期で採択されたプロジェクト「対話型災害情報流通基盤の研究開発」を推進する。⑶ 実空間情報分析技術・これまでに開発した異分野データ連携プラットフォームを用いて、自治体やスマートシティ等における環境問題対策支援の実証実験を行う。また、データ利活用からセンシングへのフィードバック手法として、ユーザーが取得したカメラ画像等のマルチメディアデータから環境情報を抽出し物理センシングの補完・拡張を行う手法を開発する。さらに、様々な地域の環境問題対策支援への横展開を可能にすべく、異分野データ連携プラットフォーム上での分散協調開発に取り組む。⑷ 脳情報通信技術ア 高次脳型情報処理技術子供から高齢者、健常者及び障がい者も含めた多様な人間のポテンシャルを引き出すとともに、人の心に寄り添うロボット等の実現に貢献するために以下の研究開発に取り組む。・脳情報モデルの高度化を進め、自然な知覚・認知条件下における脳活動の定量理解と解読技術開発を促進する。・感覚認知機能と脳内リズム等の脳情報との関係や多感覚相互作用や情動の脳内メカニズム解明の研究開発を進めるとともに、応用研究開発も進める。・BMI(ブレインマシンインタフェース)技術の実現と高度化に向け、多点高密度神経電極や脳情報計測装置等の基盤技術の研究開発を実施する。・発達や加齢に伴う人間の脳の身体運動制御機能の変化に関する理解を深化させるとともに、これを社会実装につなげるための技術の開発を進める。・社会的な活動能力を向上させるために、ソーシャルメディアデータ等と関連付けられた大規模脳計測データの蓄積を引き続き推進しつつ、得られたデータからパーソナリティの予測を可能とするための研究を進める。・人間のワーキングメモリを推定するバイオマーカの創出を目指し、ワーキングメモリに関連する脳内ネットワークダイナミクスの解析を進める。・脳機能に学んだ新たな情報処理アーキテクチャの検証を進めるために、実装したプロトタイプによる検証実験を行う。イ 脳計測技術・7TfMRI(7テスラ機能的磁気共鳴イメージング)計測の空間分解能をさらに向上させ、機能部位の細分化した計測を可能にする技術を開発する。部分的な高感度計測を目指したコイルの性能評価を進める。・これまでの血液酸素飽和度を指標とした脳機能計測法(BOLD法:BloodOxygenLevel-dependent計測法)の計測精度向上に加え、拡散強調MRI(磁気共鳴イメージングMRI)手法やMRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)手法等の技術開発と脳機能研究への応用も行う。・実生活で活用できる脳活動計測の実現に向け、実環境での活用を想定した複数人での同時計測実験の基礎技術を確立する。ウ 脳情報統合分析技術・大規模で多様な脳計測データを収集し、多課題に対応した脳内情報処理過程の解明につながる研究を推進する。・統合的・多角的なデータ分析を行うため、人間の脳機能データ取得のための高度なシステム構築に取り組み、その利活用環境の整備を推進する。エ 脳情報通信連携拠点機能・脳情報通信技術の社会実装を目指した情報発信活動を継続するとともに、産学官の幅広いネットワークの一層の拡

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