293観みる●センシング基盤分野2.ホログラム印刷技術(HOPTEC)産業応用に向けて、プリンター内部の波面精度の精密測定と改善を行った。プリンターの縮小光学系で発生する歪ひずみをCGH(Computer Generated Hologram)の手法を用いることでデジタル的に補正する手法を新たに開発し、令和元年度開発のアナログ的な補正法と共にプリントした光学素子の精度を向上させた(図2)。製作した素子の社会実装を見据え、引き続き光学機器メーカーや自動車部品メーカーとのNDA締結を含めた外部連携を継続するとともに、部品メーカーと資金受け入れ型共同研究を行った。ホログラフィによる精密測定技術では、波長依存性位相変調素子アレイとモノクロイメージセンサを組み合わせたディジタルホログラフィ撮像系を新たに開発し、複数波長の蛍光(標識された分子など)を3次元動画観察することに成功した(図3)。HOPTEC素子の通信応用では、近赤外光(852 nm)において稼働するよう設計した素子が機能することを確認した。図2 プリンターの縮小光学系で発生する歪みの補正前後の様子試作光学素⼦例補正前補正後図3 3次元動画観察が可能な瞬間カラー多重蛍光ホログラフィック顕微鏡と撮影例3.1 電磁波研究所
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