333繋つなぐ●統合ICT基盤分野2.シンポジウム等(1)iPOP2020 (令和2年9月10・11日)iPOP(International Conference on IP + Optical Network)は、平成17年以来毎年開催されている国際会議で、日本の団体Photonic Internet Labと米国の企業ISOCOREが主催し、最新の研究成果の講演と展示に加え、複数機関が協力した動態展示「Showcase」も行っている。6機関によるShowcase「光ネットワークとクラウドネイティブ型サービスのリモート構築・制御」では、ネットワーク基盤研究室の廣田主任研究員が運営委員長として、事前実験から当日のデモを仕切った(図4)。初のオンライン開催のため、当初は拠点間での機材リモート接続や機器設定の詳細部分で認識の相違があったが、マルチクラウド環境でスマートシティに向けたアプリケーションやネットワークの構築・制御可能であることを示すことができた。(2)IWOO2020(令和2年10月30日)IWOO(International Workshop on Optical Signal Processing & Optical Switching)は、日本と中国の光通信分野の新しい基礎研究の展開を知り、研究交流を深めるためNICTと清華大学が共催で、平成18年から毎年開催している。令和2年度は福岡市で開催予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、オンライン会議に変更となった。日中両国から、シリコンフォトニクスやポリマー導波路をベースとした光導波路や光スイッチングのデバイス技術、最近注目されているAIや光コンピューティング、センシングなどの新しい光技術の講演が行われた。3.主な受賞(1)前島密賞令和2年9月18日、フォトニックネットワークシステム研究室の淡路研究マネージャー、坂口主任研究員、パットナム主任研究員、ルーベン主任研究員、フレデリック研究員が、「空間分割多重光ファイバ伝送技術の研究開発」で前島密賞を受賞した(図5)。淡路研究マネージャーらは、光ファイバの伝送容量限界を突破するため、世界に先駆け同一の光ファイバ中に複数の光信号を並列に伝送する空間分割多重技術を提起し、その実現形態として様々な伝送実証実験で世界最高の結果を創出し、本研究分野の先導的な役割を果たした。(2)日本ITU協会賞 功績賞令和2年10月6日、ネットワーク基盤研究室の久利研究マネージャーが、日本ITU協会賞功績賞を受賞した(図6)。久利研究マネージャーは、光ファイバ無線技術の普及促進に向けて平成25年よりITU-Tで国際標準化活動に取り組み、無線に関連の深い活動をITU-Tで初めて立ち上げ等、無線と有線を融合する分野での標準化に尽力し、ITU-Tとしては初となる光ファイバ無線システムに関する勧告文書作成に貢献した。図3 オンライン授業システム用ネットワーク機器(左)とNICTから遠隔サポートする様子(右)図4 Showcase の実験環境を説明する廣田主任研究員図5 前島密賞の授賞式にて(左から、フレデリック研究員、ルーベン主任研究員、パットナム主任研究員、淡路研究マネージャー)図6 世界情報社会・電気通信日のつどいにて(右:久利研究マネージャー)3.2 ネットワークシステム研究所
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