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353繋つなぐ●統合ICT基盤分野2.光統合ネットワーク技術時間軸・波長軸に対するダイナミックな制御を瞬時に行う技術及び関連するハードウェアシステム技術として、令和元年度に開発したフレキシブル光ノード技術を大手町-NICT本部(小金井)間のROADM (Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)ネットワークテストベッドに導入し、技術実証を実施した。光パスを新しく追加する際、バーストモード光増幅器により利得変動を抑制し、高速光強度制御器により強度調整を即座に行うことで、これらの技術を導入しない場合と比較して、光パスによる通信開始(受信率が100%)になるまでの時間を13~17秒程度短縮した(図2)。既存ネットワーク技術との併用でも新規光パス追加による通信帯域拡大、 輻ふく輳そう緩和の高速化が可能であることを実証した。また、光通信システムのオープン化の実現に向けて、キーデバイスとして高線形性光増幅器を開発した。光通信システムに実装し、マルチベンダの光送信器の使用を想定して、特性の異なる光信号が光通信システムの中に混在しても互いの光信号に影響を与えないことが可能である。3.光アクセス・光コア融合ネットワーク技術超高速・極低消費電力の光アクセスネットワーク(固定・バックホール等)に係る基礎技術として、光アクセスネットワーク延伸化及び多分岐化技術に取り組んだ。複数波長を使用した多分岐・大容量伝送を目指して、2 波長間相互作用の影響を抑制する非線形歪補償信号処理を開発し、半導体光増幅器による2波長一括増幅を実現、2波長の4段階の振幅に変調された4-PAM(Pulse Amplitude Modulation)光信号を単一の増幅器で中継伝送することに成功した(図3)。また、データセンターにおいて通信機器におけるデジタル信号処理(DSP:Digital Signal Processor)をサーバの既存機能(GPU:Graphics Processing Unit)で実行することによる光通信の大幅な低消費電力・低コスト化を提案し、クラマース・クローニッヒコヒーレント検出器と商用GPUベースのDSP処理を組み合わせた簡素な受信器構成により、QPSK/16QAM及び8-PAM信号のリアルタイム再生をフィールド実証した。本成果は、国際会議ECOC2020において発表した。ROADMネットワークテストベッドフィールドファイバ(片道>50km)⼩⾦井大手町1ホップ2ホップ3ホップバースト光増幅器高速光強度制御器波長選択光スイッチROADMノード@小金井フフレレキキシシブブルル光光ノノーードド技技術術0.E+000.E+00w/owithw/owithw/owith受信フレーム数13秒17秒13秒時間[秒]新しく光パスを設定後、信号受信までの時間3ホップ2ホップ1ホップ高速光強度制御器を導入しない場合と比較し、受信開始までの時間を13~17秒程度短縮図2 ネットワークテストベッドを用いたフレキシブル光ノード技術の実証受信機半導体光増幅器SOA2波長信号を同時増幅非線形歪補償処理SOA出力受信波形歪補償後の波形波長1波長2送信機波長1波長2波長1波長2相相互互干干渉渉にによよるる波波形形劣劣化化1024ユユーーザザ波波形形劣劣化化をを抑抑制制図3 多分岐・大容量光アクセスネットワークに向けた複数波長の光信号伝送技術の実証3.2 ネットワークシステム研究所

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