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373繋つなぐ●統合ICT基盤分野に対する通信の大容量化及び広帯域センシング信号の低遅延化等を実現する技術及び高速波形転送技術に係る基盤技術の研究開発を実施し、周波数利用効率を高めるミリ波帯パッケージ化技術や中間周波数光ファイバ無線技術、空間多重伝送技術をさらに高度化、統合することで、50 GHz帯域級アナログ信号に対応したシンプルな光・高周波相互変換を用いたコヒーレント100 Gbps級光無線シームレス伝送を可能とする研究及びミリ波帯光ファイバ無線と光無線によるハイブリッド通信技術の研究を実施する。■令和2年度の成果1.革新的ネットワーク技術(1)令和2年度における代表的な外部発表を以下に示す。・IEEE Transactions on Network Science and Engineering(TNSE)誌に1件掲載。・IEEE NetSoft 2020(short)に1件採録。・IFIP/IEEE NOMS 2020(Mini Conf.)に1件採録。・IEEE Infocom(共著)に1件採録。・IEEE ICDCS demo sessionに1件採録。・国際標準化提案として、AIネットワーク資源制御アーキテクチャ(Y.ML-IMT2020-RARF 勧告草案)がITU-T SG13 Y.3177として勧告承認。・国際標準化提案として、IETF OPSAWG、PIM WG、MBONED WG、IRTF ICNRG、NWCRG等で計8本のインターネットドラフトを(前年度より継続)提案。(2)ネットワーク構築制御自動化技術(a)ARCAに対し、高度なAIアルゴリズムを選択・利用可能とする機能拡張を実施するとともに、IoTディレクトリサービスを組み込んだ資源自動制御機構をテストベッドで検証した。さらに、外部連携コントローラー機能を開発し、キャリア内実験網にある仮想ネットワークと相互接続し、技術普及に向けた実証実験を行った。実験ではNICTに設置したACRCAがトラヒック情報等を自動収集し、その情報に基づきネットワークスライス自動構築及び自動切替に成功した(図1)。(b)民間企業3社と共に平成30年度に受託した総務省直轄委託プロジェクトに対し、これまで研究を実施してきたIA-SFC(Intelligent Adaptive Service Function Chaining:複数のサービス機能チェイン間で計算資源を自動調停する機構)にAIを適用したネットワーキング技術の研究を継続して実施した。第4期中長期計画期間の最終年度である令和2年度は、これまでの研究成果をまとめ、受託企業3社と合同でTM Forumでの技術展示やIEEE NetSoft’20での成果論文発表等を行った。(c)IoTエッジコンピューティング技術に関する取組として、NICTの大規模エミュレーションテストベッドStarBED上で、動的資源分配を可能とするエッジテストベッドの先行サービスを開始した。本エッジテストベッドは、既存クラウドにて広く活用されるコンテナ実行管理プラットフォームKuberne-tes*1と互換性を持ち、当研究室が提案する仮想リージョン技術に基づいて自動で資源分配を行う。(3)情報・コンテンツ指向型ネットワーク技術コンテンツ名などの識別子を指定してネットワークからコンテンツを取得する「情報指向型ネットワーク技術(ICN/CCN)」の研究開発として、経路制御技術と連携するキャッシュ分散技術研究を行いIEEE TNSEジャーナルに投稿し採録された。また、統合的なコンテンツ保護フレームワークとしてBlockchainをスケーラブルかつ広域展開するためのスマートコントラクト(SC)とICNの連携フレームワークを設計し、IEEE ICCに投稿し採録された。さらに、当研究室が開発したICN通信基本ソフトウェア(Cefore)を継続的に拡張し、共同研究先の構内基盤制御管理システムキャッシュサーバー自律資源制御システム(ARCA)仮想ネットワーク/コンピューティング基盤ゲートウェイゲートウェイ/スイッチセセキキュュアア回回線線SLGSLGSLGSLGビデオサーバーIInntteerrnneettNNIICCTTキキャャリリアア内内実実験験ネネッットトワワーークク最初のデータのみ送信⇒トラヒック量削減仮仮想想ネネッットトワワーークク自自動動切切替替-SLG: Slice Gateway ・・・複数の仮想ネットワーク間の接続装置*ARCA: Autonomous ResourceControl Architectureキャリア網運用システムデデーータタ通通信信基基盤盤トラヒック情報収集、データ通信基盤制御等切切替替図1 ARCAによる仮想ネットワーク自動構築制御に関するキャリア内実験網との合同実験構成図3.2 ネットワークシステム研究所

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