433繋つなぐ●統合ICT基盤分野し、ITU-R、IEEE802等への寄与提案を行った。2.ワイヤレスネットワーク適応化技術工場の無線運用形態を追求する企業との共同研究団体である「FFPJ」の活動において、企業間連携の下、実工場内でデータ取得と検証実験を主導した。ドイツDFKIと連携してIEEE 802標準化に寄与し、令和2年4月に発行されたFlexible Factory IoTに関するIEEEホワイトペーパーに貢献した。また、工場IoT特有のトラフィックパターンに着目したバーストトラフィックのシェーパーパラメータ設定手法を提案した。今後、P802.1Qdq ANNEXへの追記を目指して標準化を推進する。また、異種無線協調制御技術であるSmart Resource Flow(SRF)無線プラットフォームの実証実験をトヨタ自動車工場で実施し、目標である遅延100 msec以下を実証した(図2(a))。FFPAにて技術試験仕様が策定され、令和3年度から認証プログラムを開始する予定である。また、要件に応じた端末網動作実証を目的としたSUNシステムのMAC仕様拡張により、自律分散的な多数端末間動作や、工場等干渉状況下でのPAN内異種通信パラメータ動作を検討し、制御用データの低遅延交換動作や、センシングデータの結合伝送制御動作の実証に成功した。地域課題解決型開発実証では、ローカル5Gとの連携動作による防災用途実証を主導した。スマート工場における屋内無線通信システムとして要件別多様化機能実証を行い、非対称型のフレーム遅延保証動作や、AGV搭載型無線機の移動対応網再接続動作の実証に成功した(図2(b))。3.ワイヤレスネットワーク高信頼化技術基地局等による中央集中的な制御に依存しない無線アクセス方式である端末間通信の研究開発を継続し、過疎地域の高齢者見守りシステム応用の実証実験を実施、さらに、小型船舶安全運航管理のための船舶相互検知システム開発に取り組んでいる。また、同方式を応用したドローン中継制御・位置情報共有システムの開発と実証を継続している。具体的には、建造物密集地や山間部などの電波的遮へいが多い環境下で、ロボットやドローンの見通し外運用に資する制御通信システム「コマンドホッパー」、同じ空域の飛翔体(ドローン、有人ヘリコプター等)間でリアルタイムに位置情報等を共有する通信システム「ドローンマッパー」の社会展開を進めている。 NICTが開発した920 MHz帯LPWAによるドローン位置情報共有システムを利用して、有人ヘリの接近を検知して自動着陸する技術、一つのドローンに追従して複数のドローンが離陸、飛行、着陸する群飛行技術を開発し、その実証実験に成功した(図3(a))。また、コマンドホッパーを利用したコマンド・テレメトリ情報のハンドオーバー通信実験に成功した。上記端末間通信を含めた無線端末による自律的な位置管理に関して有効な技術の一つと考えられるUWB無線技術について、IEEE802.15.4z標準化において、国内規制緩和を考慮したSecured ranging用バンドを欧州及び国内企業と共同提案し、令和2年8月に出版された標準規格に取り入れられた。さらに、当UWB制度緩和拡大のための総務省情通審陸上無線通信委員会の調査検討作業に貢献した。また、電波の適用環境を拡張する観点から、海中にて電波を用いた通信の研究開発を推進し、MIMO技術を利用した海中ワイヤレス通信において1mの距離で1 Mbps以上の通信実証に成功した(図3(b))。また、海底面を利用した電波伝搬を通信に応用し1 MHzの周波数において約1.5倍の伝搬距離拡張を実証した。(b)図2ワイヤレスネットワーク適応化技術:(a) トヨタ自動車工場でのSRF無線プラットフォーム実証、(b) AGV搭載型無線機の移動対応網再接続動作の実証(a)(b)(a)図3ワイヤレスネットワーク高信頼化技術:(a) ドローンマッパーによる有人ヘリの軌跡表示、(b) 海中におけるMIMO通信測定実験組み立てラインSRFセンサーSRFセンサーSRFセンサーSRFサーバSRFセンサーSRF GW1(11ch)SRF GW2(1ch)SRF Dev2SRF Dev10.00.10.20.30.40.50306090120実験開始からの経過時間[s]遅延[s]適切な通信経路に切り替え0.00.20.40.60.81.00.00.10.20.30.40.5切替え前(累積頻度)切替え後(累積頻度)遅延[s]累積発生頻度100msec以下の遅延の割合を100%に向上同期信号頻度:大同期信号頻度:小移動に応じて接続先切替3.3 ワイヤレスネットワーク総合研究センター
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