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533創つくる●データ利活用基盤分野合わせることで、結果として非常に優れた識別精度を達成したことがNIST主催の技術評価TRECVIDにおいて認められた。本技術の発展により、将来的にはドローンやヘリコプターなどにより広範囲にわたって撮影・収集される映像から被災地域を自動的に解析することで、目視による情報収集の支援が可能となり大幅な省力化や迅速化が期待できる。結果として災害時の貴重な人的資源を極力割くことなしに空撮映像を有益な情報源として活用できるようになるものと考えられる。3.テーブル型メガネなし3Dディスプレイ技術fVisiOn集積した画像ビックデータ及び記述した画像状況の情報を効果的に利用者が扱えるようにするために、空間的な画像情報を可視化して多人数で確認するためのテーブル型メガネなし3Dディスプレイ技術fVisiOnの研究に取り組んだ。画像状況をより精細に表現するための研究として、これまでにプロジェクタの台数あるいは配列密度が再生像の品質に与える影響をシミュレータ及び実機環境にて確認し、本技術は原理的に大量のプロジェクタが必要であることを確認していた。この課題を解決すべく、昨年度までにより少ない台数のプロジェクタによって従来の再生像と同品質の再生像を得るよう研究を進め、従来比1/10の台数でも全周から観察可能な3D映像が再生可能であることを確認したが、画質面での課題が残った。そこで本年度は、更なる光学系の工夫によってプロジェクタの台数を仮想的に増大させる原理を考案し、これに基づく試作及び実験を進めた。その結果、従来手法と同じ288台の実プロジェクタを利用しているにもかかわらず、仮想的に5,603台のプロジェクタが配列されたのと同様の状況を構成することを試作によって例証し、高精細な360度からの観察が可能な全周3D映像が再生できることを確認した(図3)。また、原理を数式化することによって、光学系に利用する円筒形状の鏡の径を操作することによって任意のプロジェクタ台数の増加率を決定することができるという、実用化時に必要な費用対効果に応じた3Dディスプレイ設計をするための指針を確立し、これらの結果を論文にて公開した。図2 教師なし物体位置推定図3 288台の用意したプロジェクタを仮想的に5,603台並べた状態へ増加させた全周立体映像の再生結果(異なる3方向から撮影した再生像)インターネットから収集した観光画像セット 物体位置推定結果3.4 ユニバーサルコミュニケーション研究所

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