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953●ユニバーサルコミュニケーション分野データセット、処理プログラムなどを応用分野ごとに整理し、6種類の情報資産を作成するとともに、xDataプラットフォーム利用者による情報資産の変更を追跡・マージするリポジトリシステムをxDataプラットフォーム上に構築し、利用者向けに公開した。これにより、プラットフォーム利用者による情報資産の改善やアプリケーション開発が可能となり、国内外の環境問題対策や行動ナビゲーション等に関する共同研究等を5件実施した。ASEAN IVOプロジェクトでは、環境問題が深刻なASEAN地域の研究機関が主体となり、現地で収集したデータを用いて、情報資産を応用した煙霧越境汚染被害予測(ブルネイ工科大)やMMセンシングによる交通公害予測(ベトナム ダラット大)などを開発した(図3①)。また、煙霧越境汚染被害予測の情報資産の一部をMediaEval国際ベンチマーキングタスクに公開し10チームの研究者らが性能改善を競うなど、情報資産の協調開発と社会展開を効果的に実現した。その結果、ASEAN IVOプロジェクト終了評価では全8プロジェクト中第2位と高い評価を得た。また、ブルネイ工科大での煙霧越境汚染被害予測の研究成果は、同大学での越境汚染災害の研究や地元政府の公衆衛生危機管理への応用検討に発展し、ベトナム ダラット大の交通公害リスク予測の研究成果は、同大学とダラット市インテリジェントオペレーションセンターでの安全な住環境や観光支援、交通対策の研究開発に発展するとともに、現地スマートシティ基盤へのセンサーネットワークの組込みが開始されるなど、共同実験で実施したデータ利活用の手法などをもとにした現地での社会課題対応への横展開につながった。データ連携分析の情報資産を活用した安全・快適な移動や健康的な生活を支援する行動支援サービスの開発と社会実装に向けた取組を推進した。環境品質短期予測から派生した光化学オキシダント注意報予測の情報資産を活用し、自治体における光化学オキシダント注意報・警報早期警戒支援に展開すべく、自治体の環境基準監視業務の支援を行う環境モニタリング事業者への情報資産の技術移転に向けた議論を開始した。事業者が主体となり、自治体ごとの収集データや監視業務フローに応じて情報資産をカスタマイズしたアプリケーションを開発し(図3②)、アプリケーションに表示された早期警戒情報に基づき発令(解除)に備えた待機(解除)準備に活用するパイロット試験を3自治体と連携して実施し、工場等への排出制限の事前通知や発令要員の待機要否の事前判断など、業務負荷の改善への有効性を職員への聞き取り調査により確認した。また、情報資産のライセンシングの検討を開始した。そのほかにも、民間企業らと連携し、異常気象等による交通リスクを避けた行動ナビゲーション技術の基本設計や、マルチメディアセンシングを用いてドライブレコーダーの画像ログから様々な運転状況イベントを抽出しDB化することで運転業務管理のDX化を推進する応用について検討を行った。xDataプラットフォームの機能モジュールや情報資産のNICT総合テストベッドへの提供を進め、データ・サービス連携基盤Data Centric Cloud Service (DCCS)として応用開発や実証実験を加速するための環境構築を推進、環境モニタリング事業者による光化学オキシダント注意報予測の情報資産の応用開発に利用できるようにした。また、xDataプラットフォームの要素技術を参考に、Beyond 5G研究開発推進ユニットや総合テストベッド研究開発推進センターらと連携し、Beyond 5Gにおける大容量・低遅延・超多様なIoTデータの流通・蓄積・分析・予測を行うためのサイバー空間アーキテクチャを設計し、要素技術 “エッジAI行動支援”とともに、Beyond 5G/6Gホワイトペーパー第2.0版に掲載した。*1https://www.xdata.nict.jp図3 情報資産を活用した社会実証・実装の推進①①AASSEEAANN IIVVOOププロロジジェェククトト(令和元~3年度)交交通通公公害害リリススクク予予測測(ベトナムダラット大)煙煙霧霧越越境境汚汚染染被被害害予予測測(ブルネイ工科大)②②光光化化学学オオキキシシダダンントト注注意意報報・・警警報報早早期期警警戒戒支支援援((環環境境モモニニタタリリンンググ事事業業者者))3.4.3 統合ビッグデータ研究センター

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