31序説防災・減災に資する「リモートセンシング技術」、②通信・放送・測位・航空・人工衛星等の安定運用を実現する宇宙環境を計測・予測する「宇宙環境技術」、③高度化した通信機器と電気電子機器の電磁的両立性の実現や新たな無線システム等の安心・安全な利用を実施するための「電磁環境技術」、④高精度・高可用性を両立する標準時及び標準周波数の発生・配信を実現するための「時空標準技術」、⑤次世代通信システムに利用可能な高効率かつ安価なプリント型ホログラム素子の実現を目指す「デジタル光学基盤技術」等の研究開発を進め、以下の成果を得た。①高精細航空機搭載合成開口レーダー(Pi-SAR X3)で世界最高分解能15cmでの地表面画像取得や、マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー(MP-PAWR)を用いて東京オリンピック・パラリンピック競技大会期間中に30秒ごとに更新する30分先までの超高速高性能降水予報のリアルタイム実証実験に成功した。②AI技術を用いて、イオノゾンデ観測データの電離圏エコートレース手法の機能を向上させるとともに、磁気圏シミュレーションを用いた静止軌道衛星の表面帯電リスク評価システムを公開した。③単一の無線設備と複数の広帯域電磁雑音源を考慮した電磁雑音許容値設定のための電磁干渉確率モデルについて、電磁雑音源の世帯普及率に応じた集積効果を明らかにした。また、携帯電話基地局等からの電波ばく露レベルの大規模調査の一環として、前年度までの測定結果について過去との比較を含め統計解析を行い、国内で初めて大規模に電波ばく露の長期レベル変動を明らかにした。④NICTのストロンチウム光格子時計を間欠的に運用した結果を国際度量衡局に報告し、協定世界時(UTC)の歩度(時刻の刻み幅)を8か月間連続で校正するとともに、セシウム一次周波数標準を含めた全ての周波数標準の中で最も小さい不確かさ1.9×10−16でUTCの歩度を校正した。⑤安定的なホログラムプリント技術として、波面収差を干渉に基づく測定手法で計測し、被検波面を推定し補償する方法を開発した。また、振動に強く、持ち運びが可能な手のひらサイズの3次元顕微鏡・ホログラムセンサにつながる小型センサの試作に成功した。 革新的ネットワーク分野では、①B5G時代の多様なネットワークサービスを持続的に支えるための「計算機能複合型ネットワーク技術」、②ニューノーマル時代の社会経済の変革とB5G基盤技術の実現を目指す「次世代ワイヤレス技術」、③B5G時代の増加を続ける通信トラヒックに対応するための「フォトニックネットワーク技術」、④B5G時代以降のネットワークのより柔軟な運用を実現するための「光・電波融合アクセス基盤技術」、⑤衛星通信を含む非地上系ネットワークや通信システムの利用拡大を想定した「宇宙通信基盤技術」、⑥B5Gを見据えた更なる周波数利用拡大を目指す「テラヘルツ波ICTプラットフォーム技術」、⑦大規模災害や障害等の様々な事象によって引き起こされる非連続な変化への対応を可能とするための「タフフィジカル空間レジリエントICT基盤技術」等の研究開発を進め、以下の成果を得た。①多様なアプリケーションQoE保証を行う高度分散協調型テレメトリに基づく情報分析/管理技術による自動制御管理機構として、大規模マルチベンダネットワークの運用自動化レベル4(特定環境での完全自動化)を対象とした制御管理機構の基本設計及び評価を実施した。また、情報・コンテンツ指向型ネットワーキング(ICN/CCN)用通信基本ソフトウェア『Cefore』を用い、ネットワークサービス機能のオフローディング機構を設計・実装し、ネットワーク負荷を80%程度削減した。②B5G基地局への適用を想定したフルデュプレクス実装技術として、怠惰学習を用いたデジタル自己干渉キャンセラを開発し、フェージング環境下でも134 dBのキャンセル性能が得られることを確認した。また、複数無線システムの同時可視化・監視が可能なSRF無線センサを開発した。③標準外径4コアファイバで、波長多重技術と2種類の光増幅方式を駆使し毎秒319テラビット、3,001 km伝送し、容量距離積の世界記録(毎秒957ペタビット×km)を達成しました。また、中継器無しで毎秒372テラビット、213km伝送し、無中継伝送の容量距離積の世界記録(毎秒79.5ペタビット×km)を達成した。④空間光通信の伝送容量の大容量性と高い軸ズレ耐性を実現するため、高速PDアレイと4芯バンドルファイバを活用する技術を実証し、10 Gbaud 64QAM(総計毎秒240ギガビット)光信号の1.5 m空間伝送に成功した。ミリ波無線信号と光ファイバ信号の品質を保ちつつ遅延なく相互変換するため、100 GHz帯光変調器を新規開発し、周波数101 GHzミリ波におけるOFDM-64QAM信号(毎秒70ギガビット相当)のミリ波・光直接変換を実証した。⑤ドローンと地上間の高速な光回線を実現及び設計す1.1 概要1.2 組織及び業務
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