6能」、サービスやアプリケーションをフィジカル空間とサイバー空間を越えて実行するための基盤となる「イネーブラー機能」などを特定し、Beyond5G/6Gホワイトペーパー第2版や策定中のアーキテクチャに反映させた。また、B5G応用に向けた社会展開に向けたロードマップと重点化すべき課題を具体化し、ITU-R WP5Dや3GPP等において世界に先駆けた寄与文章の入力を実施した。②公募型研究開発プログラムでは、委託研究として令和3年度末までに、「Beyond5G機能実現型プログラム(基幹課題)」を6課題(うち、1課題は令和2年度に採択)、「Beyond5G機能実現型プログラム(一般課題)」を20課題、「Beyond5G国際共同研究型プログラム」を3課題、「Beyond5Gシーズ創出型プログラム(委託)」を15課題(うち、若手・中小企業枠で4課題)、計44課題を採択し委託契約を締結した。採択した課題では多岐にわたる技術分野をカバーしており、特にB5Gのネットワーク基盤となる無線・光通信分野を中心に、B5Gの実現に寄与する委託研究を実施した。また、「革新的ベンチャー等助成プログラム(SBIR)」に係る助成金事業を公募し、3事業を採択した。 分野横断的な研究開発その他の業務では、①オープンイノベーション創出に向けた産学官連携等の強化、②戦略的・機動的な研究開発ハブの形成によるオープンイノベーションの創出、③知的財産の積極的な取得と活用、④戦略的な標準化活動の推進、⑤研究開発成果の国際展開の強化、⑥国土強靭化に向けた取組の推進、⑦戦略的ICT人材育成、⑧研究支援業務・事業振興業務等を実施し、以下の成果を得た。①産学官連携の強化を目指し、NICTシーズ集第4版を発行した(45件のシーズを掲載)。NICTシーズ集へのリンクのQRコードをNICTニュースに掲載するなどの広報強化を行い、前年度比約39%増のページビューを得た。NICTの研究開発シーズの社会実装に向けた試みとして、ベンチャーの起業に向けたビジネスプランの検討支援や事業パートナーの開拓等、計4件の技術シーズに対して、伴走型プロジェクトを試行した。②B5Gネットワークの技術検証環境となる「高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッド」を、ネットワーク、ミドルウェア、プラットフォームの各レイヤに分けて構成し、構築を進めた。これにより、ミドルウェアレイヤでのエミュレーションによりネットワーク、プラットフォーム各レイヤの機能拡張を可能としたほか、これまで総合テストベッドでは未対応であったワイヤレスアクセス環境の設置を完了した。また、物理事象などのシミュレーション、エミュレーションと実デバイスやソフトウェアを連結させて検証を可能とするCyReal(サイリアル)検証環境の設計を行った。③知的財産の積極的な取得と活用については、発明創出・権利化から技術移転まで、研究現場が主体的に取り組める体制を整える等周辺支援を強化し、NDAや共同研究契約書等の作成支援、共同出願契約や技術移転契約等を進めるとともに、NICTとしての知財戦略の策定にも取り組んだ。また、科学技術振興機構との共催によりNICT新技術説明会を開催する等、保有知財や技術活用事例を、Webや技術説明・紹介の機会等を活用し積極的に産業界等へ情報発信を行った。④戦略的な標準化活動の推進については、国際電気通信連合(ITU)、アジア・太平洋電気通信共同体(APT)、欧州電気通信標準化機構(ETSI)等の標準化機関のメンバーになるとともに、議長や副議長、エディターなどの役職を担って、国際標準化活動を精力的に推進した。令和3年度は、ITUにおいて、将来ネットワークに関する研究グループの議長にNICTの職員が任命されたほか、量子情報通信技術、ネットワークアーキテクチャ技術、情報セキュリティ技術、電磁環境技術等でNICTの研究成果を反映した国際標準が策定された。⑤研究開発成果の国際展開の強化については、B5G及び量子ICTに関するNICTのホワイトペーパーを米国の政府関係者、研究機関、シンクタンク等に紹介し、米国国立科学財団(NFS)との間で、B5Gに関する意見交換を開始した。また、日米共同研究等の国際共同研究プロジェクトを精力的に推進した。⑥国土強靭化に向けた取組の推進については、内閣府SIP第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」において、民間企業とも連携して研究開発してきた、通信途絶地域においてもエッジノード同士が近接通信により情報を同期共有できるようにする基盤技術である「接近時高速無線接続技術」を活用し、防災科研・ATRとの連携の下、ポータブルSIP4Dの開発に取り組んだ。また、同技術を搭載した防災情報通信・管理システムを高知県香南市が民間企業に委託して導入に着手しており、NICTは通信エリアや通信性能などの計測とその取りまとめを行うなどして同システムの設計に貢献した。⑦量子ネイティブ人材を育成するプログラムNICT
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