134■概要テラヘルツ波(周波数100 GHzから10 THz(波長にして3 mmから30 µm))の利活用を目指し、未来ICT研究所小金井フロンティア研究センター超高周波ICT研究室・神戸フロンティア研究センター超伝導ICT研究室・ナノ機能集積ICT研究室、電磁波研究所電磁波標準研究センター電磁環境研究室・時空標準研究室、ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター光アクセス研究室等との連携によって、テラヘルツ帯を用いた超高速無線やリモートセンシング技術の研究開発を推進した。デジュール標準においては、総務省電波部の指導と協力の下、国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R: Interna-tional Telecommunication Union Radiocommunication Sector)におけるテラヘルツ波の利用に関する議論に積極的に寄与した。さらにデファクト標準では、米国電気電子学会(IEEE: Institute of Electrical and Electronics Engineers)においてローカル・エリア・ネットワークなどの規格を定める802委員会の中でテラヘルツ無線の規格を議論しているIEEE802.15 Standing Committee Terahertzにも積極的に参画した。国内においてはテラヘルツシステム応用推進協議会の運営等を通じて、産業界や学術界との研究連携の促進や標準化の議論を進めた。■主な記事・研究開発テラヘルツ連携研究室を中心にして、①テラヘルツ無線テストベッド基盤技術の開発、②テラヘルツスペクトラム計測基盤技術の開発、③超高周波電磁波の宇宙利用技術を進めた。(①、②の詳細はテラヘルツ連携研究室の記述に譲る。)・デジュール標準Beyond 5G/6Gの研究開発活動への注目が高まる中、第5世代移動通信システム(5G)の約10倍以上の超高速無線を実現する手段としてテラヘルツ波を用いた無線通信技術への注目が集まっている。Beyond 5G/6Gにおいてテラヘルツ波無線を実現するためには、2027年の世界無線会議(WRC-27)でテラヘルツ帯を移動通信用帯域として特定化する必要がある。このためにはWRC-23 で適切な議題が立てられていることが大前提であるため、WRC-23での議題を立てるため、複数のワーキングパーティー(WP5A/5C、WP1A、WP3J/3K/3M等)への寄与文書を提出した。・デファクト標準IEEE802.15では、WRC-19でのFS、LMSへのTHz周波数帯の特定を受けて、IEEE802.15.3dの周波数帯の拡張、バックホール応用におけるリトライ・インターフレー図1 テラヘルツ研究センター概要3.6.1テラヘルツ研究センター研究センター長(兼務) 寳迫 巌
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