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142■概要オープンイノベーション推進本部は1つのユニット、1つのオフィス及び3つの部門から構成されており、それぞれの部署が連携してオープンイノベーション創出に向けた取組の強化やBeyond 5Gの推進に取り組んでいる。具体的には、企業や大学等との共同研究等による産学官連携の強化、技術移転等による知財活用、研究成果の標準化に向けた活動、国際共同研究の推進、ベンチャー創出等の様々な取組を行い、研究開発成果の普及や社会実装を推進している。また、次世代通信インフラとして期待されているBeyond 5Gの2030年頃の実現に向け最先端の要素技術等の研究開発を推進するため、「Beyond 5G研究開発促進事業」として、公募型委託研究(「革新的情報通信技術研究開発委託研究」)及び助成金事業(「革新的ベンチャー等助成プログラム(SBIR)」)を実施するとともに、「Beyond 5G共用研究開発テストベッド」を整備して産学官共同研究を促進している(図1)。■主な記事オープンイノベーション推進本部は「ソーシャルイノベーションユニット」、「総合プロデュースオフィス」、「イノベーション推進部門」、「グローバル推進部門」及び「デプロイメント推進部門」で構成されている。令和3年度の主な取組として、産学官連携では、協調制御技術の規格化等について民間企業とともにフレキシブルファクトリーパートナーアライアンス(FFPA)の技術仕様ver2.0の発行に取り組んだ。知財活用では、Beyond 5Gの関連知財取得等のための支援内容・体制の検討を進めるとともに、標準化活動では、ITU-R WP5Dの「将来技術トレンド報告」や3GPPのRelease18の検討において、時空間同期関連技術といったNICTの関連技術を盛り込むべく寄与文書を提出する等、積極的な取組を行った。国際連携関係では、米国のNSFとBeyond 5G、量子ICTやサイバーセキュリティ分野の研究開発の連携を推進したほか、6G Flagshipとの連携に取り組んだ。また、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」に基づく成果活用型出資等業務について、「研究開発法人による出資等に係るガイドライン」を踏まえ、NICT発ベンチャー支援に向け関連規程を整備した。「Beyond 5G研究開発促進事業」の「革新的情報通信技術研究開発委託研究」では、開発内容や予算規模等に応じて、①具体的な開発目標を定めた研究計画書に基づきハイレベルな研究開発を行う「機能実現型プログラム(基幹課題)」、②提案者の自由な発想に基づき研究開発を提案する「機能実現型プログラム(一般課題)」、③国際的なパートナーとの共同研究開発を提案する「国際共同研究型プログラム」、④イノベーション創出を目指し技術シーズから研究開発を提案する「シーズ創出型プログラム」の4つのスキームを実施し、計44件の研究開発課題を採択し、企業や大学等での研究開発を促進した。また、「革新的ベンチャー等助成プログラム(SBIR)」では、スタートアップ等の中小企業の3事業に助成金の交付を決定した。テストベッド関連では、エッジコンピューティング環境の初期サービスを始めるとともに、Beyond 5Gを支える量子暗号実証設備のオープンテストベッド化を進め、研究開発ハブの形成を促進した。図1 オープンイノベーション創出に向けた産学官連携等の強化地域産学官国際社会実装社会課題の解決ビジネスモデルの創出課題・ニーズ体制の構築社会実証産学官連携等の強化戦略的ICT人材育成国際展開知財活用研究支援・事業振興業務戦略的・機動的な研究開発ハブの形成オープンイノベーションの創出人材技術テストベッド研究開発資⾦標準化推進Beyond5Gの推進‣Beyond 5Gの2030年頃の実現の鍵を握る要素技術等(超⾼速・⼤容量、超低遅延、超多数同時接続、⾃律性、拡張性、超安全・信頼性、超低消費電⼒等)の早期確⽴に資する成果の創出を目指し、機構⾃ら先端的な研究開発を実施する。‣Beyond 5G実現に必要な最先端の要素技術等の研究開発を支援するため、「公募型委託研究」を実施するとともに「テストベッド共用施設設備」を整備し、産学官共同研究を促進する。Beyond 5G研究開発促進事業(新規事業)Beyond 5Gの研究開発を促進する競争的資⾦(基⾦)Beyond 5G共用研究施設・設備(テストベッド)企業、大学委託等提供3.8オープンイノベーション推進本部推進本部長  塩崎 充博

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