1433●オープンイノベーション推進本部■概要総合プロデュースオフィスは、令和3年4月にオープンイノベーション推進本部に新たに設置された組織で、社会的実証重視型の研究開発の計画・推進や支援活動などを一体的に推進していくオープンイノベーション推進に関する業務全般の総合調整機能を担っている。具体的には、総務省と連携した「Beyond 5G研究開発促進事業」等における民間企業や大学等の外部機関、NICT内の関係部署との総合調整を行うプロデュース企画業務、NICTの研究開発成果や専門的知識を活かした外部からの「技術相談」に対する総合窓口業務、NICTの研究開発成果を事業活動に活用する者に対する出資等に関する業務などを実施している。■令和3年度の成果「Beyond 5G研究開発促進事業」については、令和2年度末にNICTに造成した革新的情報通信技術研究開発推進基金(300億円)を用いた公募型研究開発プログラムの「革新的情報通信技術研究開発委託研究」を企画・運営している。その際、個々の要素技術が連携し、Beyond 5G実現のための成果の最大化が図れるよう、本事業を統一的に指導・監督するプログラムディレクター(PD)を公募により配置するとともに、各研究開発課題間の横連携等を図る「運営調整会議」を開催するなどの課題間連携や、知財・標準化活動の支援を行う「知財化・標準化アドバイザー」の配置など、総括的な推進体制を構築した(図1)。「革新的情報通信技術研究開発委託研究」では、今後の技術動向や市場動向等を踏まえ、Beyond 5Gの中核となり得る技術開発を対象とする「Beyond 5G機能実現型プログラム(基幹課題、一般課題)」、国際共同研究開発プロジェクトを推進する「Beyond 5G国際共同研究型プログラム」及び技術シーズ創出からイノベーションを生み出す「Beyond 5Gシーズ創出型プログラム」の3種のプログラム(4つのスキーム)編成により、多様なプレーヤーの研究開発力を活用できるようにした。令和3年度までに44課題の委託研究を採択し、企業や大学等での研究開発を促進している。さらに、Beyond 5G実現に向けての新たな研究開発課題等の検討のため、令和3年10~11月に提案募集を行い、その結果を踏まえて令和4年2月に「Beyond 5G研究開発ワークショップ」を開催した。ワークショップでは、Beyond 5Gの推進方策や将来像等に関して産学官の関係者でオープンな意見交換を行った。「技術相談」については、製品開発や測定方法等に関して、企業等からの依頼を受けてNICTの研究部門が有する専門的知見に基づく技術的な助言・支援を行うもので、技術移転や共同研究の契機となり得るものである。「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」に基づく成果活用型出資業務については、「研究開発法人による出資等に係るガイドライン」等を踏まえ、今後の業務実施の基盤となる規程の整備等を行った。図1 Beyond 5G研究開発促進事業の推進体制3.8.1総合プロデュースオフィスオフィス長 沼田 文彦ほか10名Beyond 5G研究開発促進事業等、オープンイノベーションに向けた事業の推進3.8 オープンイノベーション推進本部
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