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144■概要ソーシャルイノベーションユニットは、オープンイノベーション創出に向けた取組の強化やBeyond 5Gの推進等に取り組むオープンイノベーション推進本部の中にあり、ICT技術の社会実装の推進や社会課題・地域課題の解決に向けた産学官連携等の強化を推進する戦略的プログラムオフィスと、研究開発・技術実証・社会実装のオープンイノベーション拠点として総合テストベッドの構築と運営、循環進化を推進する総合テストベッド研究開発推進センター及び北陸管理グループから構成される。これら組織を重層的に連携させ、NICTの内と外(社会)とのスムーズな連携を促進することにより、NICTのオープンイノベーション創出のスタイルの確立を目指す(図1)。ソーシャルイノベーションユニットにおける令和3年度の主なトピックスを以下に示す。なお、詳細については、それぞれの部署の項を参照いただきたい。■主な記事戦略的プログラムオフィスでは、令和3年度に社会実装を推進するチームや研究成果展開に関わる組織間連携体制を構築して、総合調整機能を強化した。また、NICT内で横断的に研究者からの相談を受け付けるワンストップ相談会を開催し、研究者のシーズについて様々な可能性を議論した結果、社会実装のための新たな連携先を見出すことにより研究開発成果の出口戦略の検討に繋げた。また、社会実装勉強会を開催し、社会実装の支援者人材の育成に着手した。さらに、60種にも及ぶNICTの研究開発シーズについて研究者にヒアリング等を実施し、技術成熟度レベル(TRL)に応じて分類することで社会実装に向けた活動を推進した。NICT総合テストベッド研究開発推進センターでは、Beyond 5Gネットワークの技術検証環境となる「高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッド」の構築を進め、ワイヤレスアクセス環境の設置を完了した。物理事象に対して実デバイスやソフトウェアを連結させて検証を可能とするCyReal(サイリアル)検証環境の構築のため、運用視点から支援ソフトウェア試作と実装を行った。さらに、NICTが事務局を務める「スマートIoT推進フォーラム」のテストベッド分科会において体制を見直して4つのタスクフォースに再構成したことで、産官学関係者による検討を新たにスタートさせた。こうして、NICTが持つテストベッドの機能・性能等の継続的な高度化(新機能の追加等)への反映の検討を開始した。 ソーシャルイノベーションユニットは、戦略的プログラムオフィスにおける産学官連携等強化のための戦略的な活動と、総合テストベッド研究開発推進センターにおける研究拠点としての実践的なテストベッド利活用に向けた活動等を有機的に連携させることにより、新しい価値の創造に貢献した。図1 ソーシャルイノベーションユニットの概要3.9ソーシャルイノベーションユニットユニット長  久保田 実オープンイノベーション創出に向けた産学官連携の強化を目指して

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