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1473●オープンイノベーション推進本部■概要地域連携・産学連携推進室は、戦略的な社会実装を推進するための総合調整機能の強化に取り組み、NICT内で組織横断的に外部との連携方策等を検討・実施するほか、様々なフェーズにある研究開発成果の社会実装を推進するため、出口を特定し、目標と期限を明確にしたプロジェクトを機動的・弾力的に組織できる体制を構築するとともに、ニューノーマルなど新たな社会課題・地域課題解決に向けたプロジェクトを推進しつつ、外部へ研究開発成果の積極的な情報発信を行っている。■令和3年度の成果戦略的な社会実装を推進するために、社会実装を推進するチームを構成し、そのチームを核にNICT内部の組織間連携体制(研究成果展開サポートグループ)を構築するとともに、月2回の定期的な連絡会議を開催し、総合調整機能を強化した。研究成果展開サポートグループで研究開発成果の社会実装に向けた課題とその解決のために必要な取り組みを検討し、その一つとして、NICT内で横断的に研究者からの相談を受け付けるワンストップ相談会を2回開催した。また、戦略的な社会実装を推進するため、社会実装につながる可能性のあるNICTの研究開発シーズの調査としてヒアリングを実施した。ヒアリングの結果から、その技術成熟度レベル(TRL)に応じて分類し、社会実装に向けてTRLを上げるための方策を検討した。社会実装に向けたプロジェクトの推進として、製造現場のデジタル・トランスフォーメーションを推進するために必要となる、複数の無線システムが過密・混在した環境下で安定した通信を実現するための協調制御技術(SRF (Smart Resource Flow) 無線プラットフォーム)について、平成29年度に民間6社と共に設立したフレキシブルファクトリパートナーアライアンス(FFPA)の事務局を務め、規格化、普及促進活動を推進した。ローカル5Gを含む5GとWi-Fi等アンライセンス系無線システム双方をサポートする改訂を行い、Ver.2.0として令和3年12月に発行した(図1)。また技術仕様Ver.1.1.1への製品適合性を確認するための製品認証プログラムを令和3年12月に開始した。これにより、SRF認証された製品が市場に投入される準備が整った。今後、NICT技術を組み込んだ製品開発から利用までに渡る事業継続性までを考慮したエコシステムの事例となることが期待される。NICTの研究開発成果等の技術移転を促進し、新たな価値の創出や課題の解決に役立てるために、NICTの研究開発成果等を紹介するNICTシーズ集について、産学官連携の強化を目指し、シーズ集第4版として改版し、令和3年6月に発行した(図2)。外部への提供可能な技術等44件を掲載。9月に1件を追加し、現在計45件を掲載)。NICTシーズ集のwebサイト(https://www2.nict.go.jp/oihq/seeds/)のQRコードをNICT NEWSの背表紙や名刺、オンライン会議などで使用するバーチャル背景へ載せるなどして広報強化を行った結果、今年度はページビューが30%以上伸びた。図1 FFPA技術仕様Ver.2.0で新たにサポートされる機能有線と無線を融合して制御可能5Gとアンライセンス系を切替/統合して利用可能無線有線Unlicensed Bands 5G Bands 5G/Wi-FiCombo DeviceUnlicensed Bands 5G Bands 5G/Wi-FiCombo DeviceUnlicensed Bands 5G Bands 5G/Wi-FiCombo DeviceField ManagerSRFGateway 3SRFGateway 4SRFGateway 2SRFGateway 1SRF DevicesSRF DevicesSRF DevicesSRF Devices図2 新規シーズを加えたNICTシーズ集第4版 (令和3年6月発行)3.9.1.2地域連携・産学連携推進室室長(兼務)  西永 望ほか10名NICTの外と中をつなぎ、研究開発成果の社会実装を推進3.9 ソーシャルイノベーションユニット

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