148■概要総合テストベッド研究開発推進センターでは、第5期中長期計画期間に以下の実践を目指している。・有線・無線網とインフラによるネットワークテストベッドに加えて、データ利活用・各種のアプリケーションを想定するプラットフォームレイヤ、エミュレーション・可視化をサポートするミドルウエアレイヤへの拡張を行う(図1)。・Beyond 5G 時代の社会的・技術的ニーズを検証可能な分散広域実証環境及びリアルタイムエミュレーション環境並びにデータ駆動型社会の実現に寄与するデータ利活用に向けた実証環境「高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッド」(図2)を構築し、我が国の ICT 分野の研究開発・技術実証・社会実装に貢献する。・JGNの100 Gbps回線の国際回線との結合を用いて、国際連携の更なる展開を推進する。・データ駆動型社会の実現に資する、様々なデータを組み合わせたアプリケーション開発と検証に資するサービスレイヤテストベッドの構築を推進しつつ、データ分析・可視化サンプルプログラムを試作する。・従来のネットワークテストベッドのソフトウェア化と、サービスレイヤテストベッドとの連携検討を行う。・シミュレーション等で模倣した事象とエミュレーション環境内に実現した ICT システムとを連携させ、サイバー空間とフィジカル空間の融合する研究開発を推進し、実デバイスやソフトウェアと接続し、現実世界の振る舞いを組み合わせたリアルタイムエミュレーション環境を構築し利用者に提供する。・異分野・異業種の複数の企業等と連携して、Beyond 5G 社会を構成する超高周波を用いる IoT 無線技術、AI 技術、ロボットを含む自律型モビリティ技術を融合的に利活用することで構築可能となる構内や地域のデータ収集配信基盤技術の実証的な研究開発を推進し、社会的受容性の高い様々な社会課題の解決に資する ICT サービスのエコシステムを形成することを目標とした研究開発と社会実証実験を実施し、得られた知見をNICTのテストベッド及び社会にフィードバックする。■主な記事総合テストベッド研究開発推進センターでは、令和3年度に、以下を実施した。1.Beyond 5G時代に向けたテストベッド方向性の検討Beyond 5G時代の多様なシステム・サービス検証に資する環境として、従来の有線・無線網とインフラによるネットワークテストベッドに加えて、データ利活用・各種のアプリケーションを想定するプラットフォームレイヤ、エミュレーション・可視化をサポートするミドルウエアレイヤへの拡張を行った。(図1)。技術開発動向に合わせて柔軟な機能拡張を進め、B5Gテストベッド機能の循環進化の取組を開始した。2.高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッドの構築と利活用の促進Beyond 5Gネットワークの技術検証環境となる「高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッド」(図2)の構築を開始するとともに、Beyond 5G研究開発の推進やデータ連携という観点からタスクフォースを再構成し、テストベッド利用者をはじめとした産官学の関係者による検討を開始した。これらの検討結果を踏まえ、B5Gの実現に資するテストベッド環境となるよう、継続的に機能・性能等の高度化に関する検討を開始した。 また、JGN及びStarBEDの安定的な運用により、NICT内外での利用件数は96件(共同研究契約等の件数)となるなど、多くの組織での利用を実現することができた図1 Beyond 5Gに向けたテストベッドの構成概要図2 高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッド3.9.2総合テストベッド研究開発推進センター研究開発推進センター長 児島 史秀
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