154■概要テストベッド研究開発運用室においては、北陸StarBED技術センターに設置されている大規模エミュレーションテストベッド(StarBED)を用いた研究開発及びその活用を行ってきた。StarBEDでは実環境で動作する実装そのものを実環境に近い環境で動作させることで、検証の精度を高めるというアプローチを取っており、これをエミュレーションと呼んでいる。第5中長期計画期間では、シミュレーション等で模倣した Beyond 5G 時代を想定した事象とエミュレーション環境内に実現した ICT システムとを連携させ、それぞれの相互影響を検証し、サイバー空間とフィジカル空間の融合を目指した研究開発を推進する。さらに、実デバイスやソフトウェアと接続し、現実世界の振る舞いを組み合わせたリアルタイムエミュレーション環境を構築し利用者に提供を目指す。令和3年度は、リアルタイムエミュレーション環境の整備に向けて、シミュレーション等で模倣したBeyond 5G時代を想定した事象とエミュレーション環境内に実現したICT技術を接続し、それぞれの相互影響を検証するための機構の基礎設計及び試作を行った。さらに、実デバイスやソフトウェアと接続し、現実世界の振舞いを組み合わせたリアルタイムエミュレーション環境を利用者に提供するためのインターフェースの検討と試作を行った。■令和3年度の成果CyReal(サイリアル)検証環境の構築物理事象などのシミュレーションとエミュレーション、そして実デバイスやソフトウェアを連結させて検証を可能とするCyReal(サイリアル)検証環境の構築(図1)に向け、StarBEDの実験リソース群を柔軟かつ効率的に利用した支援ソフトウェアの実装を推進し(図2)、無線シミュレータとエミュレーション環境を連動させる複数のユースケースを令和3年度中に構築(図3)した。また無線エミュレーション技術の一環としてBeyond 5Gの検証技術の設計と検討を実施し、利用者及び運用視点からのユーザインターフェイス及び外部のソフトウェアの連携を想定した支援ソフトウェア試作と実装を実施した。図1 CyReal(サイリアル):サイバーとリアルを組み合わせた検証環境 物理事象などのシミュレーションとエミュレーション、そして実デバイスやソフトウェアを連結させた検証が可能な検証環境シミュレータシミュレータシミュレータシミュレータシミュレータシミュレータシミュレータシミュレータSmithsonian PFシミュレータエミュレータシミュレータ実システムシミュレータシミュレータエミュレータシミュレータSmithsonian PF実システム実システム実システム実システム実システム実システム実システム実システムSmithsonian PFシミュレータテストベッド実環境Smithsonianは汎⽤連携基盤として動作連携基盤をそのままにすべてを実システムとすることで実際の運⽤環境に構成システムの差し替えによる動作モードの変更シミュレータ群の一部をエミュレータ実システムを挿入することで実装の検証を可能に異なるシミュレータ群の連携を可能に3.9.2.3北陸StarBED技術センター技術センター長(兼務) 宮地 利幸物理現象を含めた総合的なICT検証を実現するCyReal検証環境
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