1573●オープンイノベーション推進本部構内エリアであれば、5G無線にも匹敵する実効スループットにて大容量コンテンツの収集・配信が可能となることを確認した(図2)。 プレスリリースとYouTube動画による実証状況の公開を実施した(6月)。実験の成果は、国際会議WPMC2021(12月開催)に採録された(採録率60%)。2.異業種ロボット協働プラットフォームの模擬的実証環境の構築国内最大手ロボット事業展開企業との連携体制を新規構築し、NICTテストベッド設備も自ら活用した、異業種ロボット(お掃除ロボット・デリバリーロボット・音声対話型案内ロボット)協働プラットフォームの模擬的実証環境をNICT構内に構築した。上記実証環境において、ロボットが働き“ながら”収集する大容量センシングデータを、同ロボットの活動を停止させることなく、他の近接したロボットがミリ波IoTで収集する、“キャッチアップ&ランデブー(C&R)”方式での分散大容量データ収集実証システム(特許出願中)を構築した(図3)。ミリ波IoT技術に加えマイクロ波IoT技術も併用した構内ロボット間追尾・協調による大容量コンテンツ集配信の実証及び株式会社JR東日本商事との共同活動から着想に至った、人もロボットも案内する受付けロボット提供サービス「“一見さんロボット”案内サービス」の令和4年度におけるPoC実証の準備を進めた。3.エレベーター移動支援システムの技術実証と社会実証Beyond 5G時代の多様なサービス実現に向けたヘテロジアスNWの活用に関する研究開発として、自律型モビリティ活躍社会を支援するIoT無線の利活用技術に関し、超高速通信を実現する超高周波を用いたIoT無線のみでなく、より安定したマイクロ波IoTも併用したモビリティ制御等の研究開発を進めた。令和3年度に登録されたエレベーター移動支援システムに関する特許を構成するIoT無線アジャスタについて、さらに小型化を達成すると同時に遠隔のロボットを誘導することが可能な機能の実装を実施し、技術実証と社会実証の一体的な活動を、株式会社 JR東日本商事の協力を得て、高輪ゲートウェイ駅構内にて実施した(図4)。ロボット事業系ベンチャー企業及び国内大手システムインテグレーターとも連携し、同駅の2階と3階間の往復移動の確認に成功するとともに、ロボット搭載カメラが移動中に撮影したその状況等はリアルタイム映像として、5G回線を介してリモート可視化できることも確認した。また、さらに同システム技術を活用して、大手建設事業者とも連携して、羽田イノベーションシティをフィールドとした実証実験を実施した。上記、エレベーター移動支援システムに関する特許の技術は、複数のロボット関連事業者より技術移転及びライセンス供与の問い合わせを受け調整を進めた。また、開発済みのエレベーター移動支援システムの高度化と社会実装性をより高める活動として、国内著名建築設計事務所との連携体制を構築し、同事務所との意見交換や共同設計も踏まえた新規設置機構を備えたIoT無線アジャスタを再開発し、高輪ゲートウェイ駅のエレベーターに実装し、マルチフロア対応性、人が密集した環境下での動作安定性、人・異種ロボットでのエレベーター共用時に必須となる、エレベーター庫内で停止中フロア(開扉中フロア)を認識する技術の実用性に関わる実証実験を実施した。図3 C&R分散大容量データ集配信実証システム構築の様子(赤色部分はお掃除ロボットの活動エリア)図4 2021年2〜3月実施実証実験の様子@高輪ゲートウェイ駅3.9.2 総合テストベッド研究開発推進センター
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