160■概要連携研究推進室は、企業、大学、公的研究機関等との共同研究や、研究者の派遣・受入等の研究者交流を推進し、産学官連携の強化に貢献している。1.企業、大学、公的研究機関等との共同研究の推進連携研究推進室は、通常の共同研究に加え、NICTが共同研究者から研究費用の提供を受ける「資金受入型共同研究」等を推進している。連携研究推進室では、研究部署からの相談対応、相手機関との交渉、契約書ひな形の作成、契約締結マニュアルの充実、関連情報の蓄積及び検索機能の提供等、契約締結に関する支援業務を実施している。また、共同研究の事前準備等の段階で、NICTと相手機関との間で重要な研究・技術情報を開示する場合に情報の漏えい等を防ぐためにあらかじめ締結する「秘密保持に関する契約」について、契約締結のための手続きの案内、契約書ひな形の作成、契約案の文作成支援等、契約締結に関する支援業務をあわせて実施している。2.研究者の受入・派遣等による研究者交流の推進NICTでは、大学等との間で情報通信分野における相互協力を推進するため、共同研究や研究者交流等に関する相互協力協定を締結している。また、連携大学院制度に基づき、大学院生等がNICTにおいて研究を実施したり、NICTの研究者による研究指導を受けたりする機会を確保するなど、学界との研究交流の推進を図っている。さらに、研究開発人材の育成を推進するため、協力研究員、研修員を受け入れるとともに、NICT職員への指導・助言のために研究者を招へい専門員として招へいしている。連携研究推進室では、これらの業務に関する手続きの案内、各種受入書類のひな形作成等の支援を実施している。■令和3年度の成果1.企業、大学、公的研究機関等との共同研究の推進(1)共同研究令和3年度、共同研究契約は、464件(前年度からの継続案件を含む)に達し、このうち、令和3年度に開始された新規案件は243件となった。(内訳については表1参照)。また、「秘密保持に関する契約」については、238件に達した(令和3年度新規案件は、86件)(内訳については表2参照)。(2)資金受入型共同研究相手機関とNICTが共通の研究課題を設定し、分担・協力して研究を行う共同研究において、NICTの分担する研究の費用の一部を相手機関に負担いただくことで研究の加速を目指す「資金受入型共同研究」について、令和3年度は、31課題(前年度からの継続案件を含む)が実施され、新規案件は21件となった。(3)大学との連携大学とNICTとの連携・協力に関する協定に基づき、双方の研究ポテンシャルを掛け合わせることにより、新たな共同研究テーマを掘り起こすためのフィージビリティスタディを支援する「マッチング研究支援事業」を東北大学、早稲田大学及び九州工業大学との間でそれぞれ実施している。令和3年度においては、それぞれ東北大学13課題、早稲田大学4課題、九州工業大学4課題、計21課題が採択され、共同研究が実施された(表3)。この取組により、本支援事業開始(平成28年度)以後、約30件の外部資金獲得につながった。表1 令和3年度 共同研究契約件数(新規)共同研究契約うち資金受入型共同研究国 内23121海 外120計24321秘密保持契約国 内82海 外4計86表2 令和3年度 秘密保持契約件数(新規)3.10.1連携研究推進室室長(兼務) 村上 聡ほか10名共同研究・研究者交流による産学官連携の強化
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