1753●オープンイノベーション推進本部題に対するICTソリューションを追究する共同研究開発プロジェクト14件*7(2017年度〜2021年度開始)を推進した。例えば、農業を対象としたスマート灌かん漑がい、都市型農業に関するプロジェクトでは、それぞれの環境に適したセンサーを開発して、水田、垂直栽培棚などに設置・検証する等の活動を行った。環境保護を対象とした泥炭地火災監視プロジェクトでは、環境に適したセンサネットワークやデータ収集用監視タワーを設置してモニターリングシステム構築を行った(図5)。本プロジェクト成果を基に、システムの高度化、データの解析、解析結果に基づく森林火災予報システム構築等のため、APT(アジア太平洋電気通信共同体)が実施する国際共同研究スキーム(Category-I) に提案して採択された。ASEAN IVO開始以降、累計33件のプロジェクトを実施し、延べ202機関367名が参画している。また、翌年度開始プロジェクトを形成するためのASEAN IVO Forum 2021を11月18日にオンライン同時参加形式の発表講演と11月下旬から翌年の1月上旬まで一般公開としたポスター展示を行うハイブリッド形式で行った*8。参加者から、食料、環境保護・防災、安心・スマートコミュニティ、健康・福祉等の分野を対象とする計26件のプロジェクトのアイデアの発表が行われた。フォーラムによって活発な議論やグループ形成が行われた結果、29件の新規プロジェクトの提案がとりまとめられ、運営委員会においてそのうち5件を採択することを決定した。台湾NARLabs(National Applied Research Laboratories:国家実験研究院)と共同で、2021年4月にオンラインでワークショップ(図6)を開催し、2021年3月に終了した第1弾の共同研究プロジェクト2件の成果報告及び2021年度から開始する第2弾の共同研究プロジェクト3件の計画紹介及び議論を行った。4.成果展開国際プロジェクトの創出と推進国際展開ファンドプログラムを運営し、成果の国際展開を目指すNICT内部からの提案6件を採択して実施した。フィールド用IoTノードの開発ではCOVID-19感染拡大に伴う世界的な半導体不足の影響で開発機器の納期が遅れたため研究期間を1年間延長して進めているが、オンラインミーティング等を利用して協力機関とのトレーニングや実験環境の構築を行い、タイでの光半導体バイオセンシング技術、音声認識の対象言語をモンゴル語、カザフ語、ウィグル語、チベット語等の拡張、水再利用のためのIoTシステムにおける端末間通信システムの構築などの取組を加速した。図4ASEAN IVO の実施プロジェクト数と加盟機関数81319242833273654566874010203040506070802016年度2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度累計プロジェクト数ASEAN IVO加盟機関数図5ASEAN IVOプロジェクト:NAPC: Networked ASEAN Peat Swamp Forest Communities「左上から」監視領域の設定、気象センサーやデータ収集の監視タワー、土壌水分・温度センサーや水位センサーなどの設置図6NICT-NARLabs共同ワークショップ(令和3年4月、NICT本部)*1https://www.nict.go.jp/press/2021/09/29-1.html*2https://www.nict.go.jp/info/topics/2021/09/01-1.html*3https://www.nict.go.jp/press/2021/08/25-1.html*4https://www.nict.go.jp/press/2018/07/02-1.html *5https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/*6https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/members.html*7https://www.nict.go.jp/en/asean_ivo/Project_List_of_ASEAN_IVO.html*8https://naivo.org/3.11 グローバル推進部門
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