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194■概要イノベーションデザインイニシアティブは、NICTにおける経営や研究開発方針の検討に資する理事長直属のシンクタンク機能として、今年度より正式な組織として発足した。国内外のICT分野における研究開発・政策・産業のタイムリーな情報収集・分析を行うとともに、中長期視点での戦略デザインや提言を行うことを任務としている。新組織として発足した今年度は、様々なトピックについてNICT内の関係者がフラットに集い議論する場の提供を軸とした活動を行っている。具体的には新たな業務開拓に係る試行的活動の一環として、共創活動のデザインを行うプロジェクト(共創デザインプロジェクト)と、NICTのブランド力向上を目指すプロジェクト(ブランディングデザインプロジェクト)を推進するとともに、将来の人事制度や研修制度の検討のための調査・分析等を実施した。■令和3年度の成果最新の技術動向、市場・ニーズ動向、標準化動向等を把握するために、国内及び海外の情報の調査分析及び議論を、定例会の開催を通じて実施した。海外動向に関してはNICTの北米・欧州・アジアの各拠点より最新のイベント・標準化・産業動向等に関する情報について定期的に議論した。具体的には、Beyond 5Gや量子技術等を含む最新のICT研究開発動向やITU及び3GPPといった標準化会議の動向、それらをとりまく支援政策・法規制の動向、さらにICT分野の産業動向やスタートアップ動向について、Consumer Electronic Show(CES)やMobile World Congress(MWC)といった国際的な展示会等のイベント報告も交えながら情報共有と議論を行った。これらの一部はBeyond 5G及び量子ネットワークのホワイトペーパー(図1)作成にも寄与した。また、産業界、学術界、公的機関等から国内有識者による内部講演会を6回実施した。各講演者の方々からは、科学技術政策の方向性、公的研究機関の研究開発戦略及び民間企業の先端技術研究や人材育成等について幅広くご講演頂き、意見交換を行った。これらの議論の内容は、マンスリーレポートとしてとりまとめ、各発表資料とともにNICT内部に広く共有した。1.共創デザインプロジェクト共創デザインプロジェクトにおいては、外部機関との共創を通じた研究開発成果の社会実装に向けた試みとして、計4件の技術シーズに対して伴走型・組織横断型プロジェクトを推進した。具体的には、電子ホログラフィ技術に基づきデジタル設計した光学機能を持つホログラフィック光学素子を作製するホログラムプリント技術(HOPTEC)、微生物を図1 Beyond 5G及び量子ネットワークのホワイトペーパー(英語版)3.14イノベーションデザインイニシアティブイニシアティブ長  加藤 義行ほか3名情報収集・分析と戦略デザイン機能を持つシンクタンク

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