29711.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第5期)11中長期計画、年度計画ア ローカルセンシング技術局所的(ローカル)な電磁波伝搬に大きな影響を与える、大気中の雲・降水の分布や、地面、構造物、植生等を含む地表面や海表面を高精度に把握する水蒸気分布観測技術や干渉SAR等の観測・分析技術の研究開発を行い、防災・減災のみならず、平常時においても生活の質の向上に有用な情報を提供し、社会における活用に向けた成果展開を行う。イ グローバルセンシング技術地上・上空・衛星相互の電磁波伝搬に大きな影響を与える、大気中の水蒸気・雲・降水の分布を、衛星に搭載されたリモートセンサを用いて全球的(グローバル)かつ高精度に現状把握を可能とする技術及び取得された情報を分析する技術の研究開発等を行い、地球規模の気候変動の監視や天気予報等の予測精度向上、地球温暖化・水循環メカニズム等の解明に資する。⑵ 宇宙環境技術高精度衛星測位等宇宙システムの利用や民間を含む宇宙有人活動に影響を与える宇宙環境の乱れの把握が課題となっている。これらの課題を解決するための宇宙環境の現況監視及び予測・警報を高度化する技術を開発し、農業、社会インフラ維持管理、災害監視等における電波の安定利用に資する。また、3−2.「機構法第14条第1項第4号の業務」と連動した宇宙天気予報を安定的に遂行するために必要となる技術を開発する。ア 宇宙環境の現況把握及び予測に関する研究開発地上・衛星等からの宇宙環境計測技術、宇宙環境シミュレーション・データ同化技術、AI 技術等を利用した宇宙環境の現況把握及び予測・警報の高度化(より高精度の情報をより早期に提供する)に関する技術を開発する。特に大気・電離圏モデルを用いたデータ同化による電離圏擾乱の予測及び太陽風数値モデルを用いた太陽嵐到達時刻予測等により、通信・放送・測位・航空・人工衛星運用等の安全・安定な利用に資する。2025年度までにAI及び数値シミュレーションを用いた宇宙環境予報技術の高度化を図る。イ 宇宙天気予報システムの研究開発宇宙天気予報業務を安定的に遂行し、国内及び国際的に情報を発信するために必要となるシステム及び利用者との交流を通じ、電波伝搬状況をウェブ上で推定できるシステム等のユーザインターフェース開発、予報精度評価を実施するとともに、関連する標準化に貢献する。⑶ 電磁環境技術電磁環境技術は、高度化した通信機器と電気電子機器の相互運用の実現や新たな無線システム等の安全・安心な利用を実施する際の電磁的両立性を確保するために必要不可欠な基盤技術であることから、先端EMC計測技術や生体EMC技術に関する研究開発を行う。さらに、大学・研究機関等との研究ネットワーク構築や共同研究の実施等により、電磁環境技術に関する国内の中核的研究機関としての役割を果たすとともに、研究開発で得られた知見や経験に基づき、国際標準化活動や国内外技術基準の策定等に寄与すると同時に、安全・安心なICTの発展に貢献する。ア 先端EMC計測技術高度化した通信機器と電気電子機器の相互運用を実現するために、通信機器と電気電子機器が混在した状況下における雑音許容値設定モデル開発等の電磁干渉評価技術の研究開発を行い、5G/IoT環境を支える雑音許容値と試験法の確立に寄与する。また、電磁干渉評価に必要な高分解能電磁環境計測技術及び較正技術の研究開発を行い、先進レーダーシステムやBeyond 5G等で用いる広帯域パルス電磁波の高精度評価技術・電磁波制御技術等を確立するとともに、機構法第14条第1項第5号業務等の試験・較正業務に反映する。イ 生体EMC技術無線技術の高度化に対応した安全・安心な電波利用環境を構築するため、新たな無線システム等の電波防護指針への適合性を簡便かつ高い信頼性で評価する技術、Beyond 5G等で利用されるテラヘルツ帯までの電波の人体ばく露特性を高精度に評価する技術等の研究開発を行い、5G/IoT環境に最適化した適合性評価方法の確立、Beyond 5G等に対応した電波防護指針の策定に寄与する。また、人体電波ばく露レベルに関する詳細かつ大規模なデータを取得・蓄積し、5G/IoT等の電波ばく露に関するリスクコミュニケーション等に活用する。⑷ 時空標準技術時空標準技術は、3−1.「機構法第14条第1項第3号の業務」と連動して周波数や時刻の基準を生成し、これ
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