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298を社会での時間及び空間技術において利活用する方法を開発するとともに、時刻周波数基準の精度を活かす未踏の研究領域を開拓する。ア 周波数標準及び時刻生成技術光周波数標準技術及びその遠隔比較技術を発展させることで2030年前後に想定される国際単位系の秒の定義改定への国際的な研究開発活動に貢献する。また、光周波数標準に基づく精度及び分散配置されたマイクロ波周波数標準に基づく信頼性を両立させた標準時及び標準周波数を実現する。イ 周波数標準及び時刻供給技術安価で携帯可能な原子時計、地上での近距離無線双方向時刻比較技術、光ファイバによる時刻・周波数の伝達手段等を開発することで、Beyond 5G時代の有無線ネットワーク技術の基盤となる基準時刻及び基準周波数の提供手法を実現する。ウ 周波数標準及び時刻利用の未踏領域開拓標準周波数のテラヘルツ領域等への拡張や、高精度な周波数標準の測地センサとしての利用等、周波数標準の従来にない新しい応用領域を開拓する。⑸ デジタル光学基盤技術光の回折を利用した光学技術の基盤となる、デジタルホログラムプリントによる回折光学素子の製造に関する研究開発を行い、2024年度までに安定的なプリント技術の確立を目指す。また、プリントした光学素子の補償技術を確立し、プリントした光学素子を用いた、Beyond 5G時代を支える高効率・安価な光通信用モジュール、三次元車載ヘッドアップディスプレイ、次世代ARシステム等への応用を促進し、実用化に向けた技術移転を進める。さらにデジタルホログラムによる精密光学測定技術の研究開発を行い、ホログラムデータに関する計算量の適正化や、撮像系の高S/N化・低ノイズ化を実現すると共に、ホログラム撮像技術を顕微鏡等へ応用し産業展開を促進する。1-2.革新的ネットワーク分野Beyond 5G時代におけるSociety 5.0の高度化による社会システムの変革を実現するため、通信トラヒックの急増や通信品質の確保、サービスの多様化等に対応しうる革新的なネットワークを構築する必要がある。そのための重点技術として、計算機能複合型ネットワーク技術、次世代ワイヤレス技術、フォトニックネットワーク技術、光・電波融合アクセス技術、宇宙通信基盤技術、テラヘルツ波ICTプラットフォーム技術、タフフィジカル空間レジリエントICT基盤技術の研究開発を実施するとともに、標準化、研究開発成果の普及や社会実装を目指す。⑴ 計算機能複合型ネットワーク技術Beyond 5G時代における多様なネットワークサービスが共存する環境において、各々のサービスが求める通信品質や情報の信頼性を確保するとともに、ネットワーク資源の持続的で適正な提供を行うため、ネットワーク内の高度な処理機能によってこれらを実現する計算機能複合型ネットワーク技術の研究開発を実施する。具体的には、大規模ネットワーク制御技術、遅延保証型ルーター技術の研究開発を行い、ニューノーマル時代の社会経済の変革に資するサービスやアプリケーションの実現に寄与する。また、情報特性指向型の通信技術の基礎研究を推進し、社会展開を目指した応用研究開発の開始につなげていく。ア ネットワークテレメトリによる大規模ネットワーク制御技術時々刻々変化するネットワークサービスからのニーズと資源の状況をネットワークテレメトリを用いて情報集約・収集する技術、そして収集した情報を基にヒューリスティックなアプローチにより資源調整・制御する技術を開発する。情報収集手法を共通化するオープンネットワークテレメトリと、それを用いたネットワーク制御方法に関して標準化活動を行う。開発した手法についてテストベッドを用いた実証実験や産学官連携による技術検証を行う。イ 遅延保証型ルーター技術伝送遅延を一定の範囲に保つ必要がある超低遅延なネットワークサービスにおいて、従来のソフトウェアルーターではパイプライン処理割り込みにより遅延揺らぎが生じる。この問題を解決するため、決定論的(Deterministic)アーキテクチャを用いた遅延保証型ルーター技術の研究開発を行う。研究成果については、遠隔授業等に用いられるルーターに導入し、外部機関と共同で実証実験に取り組むような分野で社会展開を図る。ウ 分散情報管理機構を用いた情報特性指向型の通信技術膨大な数のIoTデバイスやユーザから生成・発信される情報に対し、アプリケーションやサービス等が求める信頼性や有効性等の情報特性を判断して情報提供を可能とするトラスタブルなネットワークサービスの実現を目指し、分

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