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300大規模障害や災害等に対して、広域トランスポートネットワークに影響をもたらす、光ファイバ網特有の物理現象に由来する潜在的な故障源等を検知・予測するテレメトリ技術と、性能低下抑制のための適応制御の基盤技術を確立する。また、平常時/災害・大規模障害時における通信・計算基盤を連携し、クラウドエコシステムにおける構成調整の弾力化と障害復旧の迅速化を目指して、異種トランスポート網の高度な相互接続・統合利用を促進するための、ネットワーク資源のオープン化、需給均衡、通信・計算資源の連携等の基盤技術を確立する。⑷ 光・電波融合アクセス基盤技術Beyond 5G時代以降のネットワークのより柔軟な運用を実現するために、アクセスネットワークにおける光と電波の信号帯域を融合して調和的に利用し、多量の送受信器やセンサ等のフィジカルリソースを適応的かつ柔軟に拡充・補完することを可能とし、光と電波の周波数帯域の高精度な相互変換や広帯域なパラレル波形処理等の機能を有する「マッシブ集積オールバンドICTハードウェア技術」 の研究開発を行う。また、ユーザ特性のみならずネットワーク環境等に対応した光・電波伝送媒体の選択的・調和的な活用を可能とするために、超高速かつ可用性の高い次世代光ファイバ無線技術やスケーラブルな帯域制御技術、伝送媒体の効果的な相互変換技術と基準信号配信技術、短距離向けリンク技術等の「伝送メディア調和型アクセス基盤技術」の研究開発を行う。各要素技術を基にした産学官連携によるプロトタイプ実証やシステム・コンセプト等のフィールド社会検証により、各技術の実証や標準化等に取り組み、2030年以降の利用シーン拡大に資するアクセス/ショートリーチに係る光・電波融合基盤技術を確立する。⑸ 宇宙通信基盤技術衛星通信を含む非地上系ネットワークや通信システムの利用が拡大する中、地上から宇宙までをシームレスにつなぐ高度な情報通信ネットワークの実現に向けて、効率的なデータ流通を実現する衛星フレキシブルネットワーク基盤技術及び小型化・大容量化・高秘匿化を可能とする大容量光衛星通信・フレキシブル通信・高秘匿通信基盤技術に関する研究開発を行う。ア 衛星フレキシブルネットワーク基盤技術衛星・航空機・ドローン等で構成される地上から宇宙までのネットワークが多層的に展開される光・電波を用いた統合型モビリティネットワークにおいて、流通データの要求条件(通信容量、遅延、信頼性、電波伝搬等)を踏まえ、最適な通信経路や通信条件を探索することで、効率的なデータ流通を可能とする衛星フレキシブルネットワーク基盤技術の研究開発等に取り組む。本技術を活用し、衛星等を用いた通信技術の検証や実証実験を実施し、実用化を目指し基盤技術を確立するとともに標準化・産学との連携を推進する。イ 大容量光衛星通信・フレキシブル通信・高秘匿通信基盤技術周波数資源逼迫の解決に応えるとともに、小型かつ大容量通信可能で、陸上・海上・空域・地球近傍・月等あらゆる場所の多地点間において信頼性、可用性が要求される様々なデータの流通を目指し、小型衛星や深宇宙等への大容量な光通信技術やデジタル化によるフレキシブルな通信技術の適用等に関する基盤技術の研究開発に取り組む。また、安心安全で高秘匿な無線通信システムを確立するため、宇宙における高感度・量子通信の基盤技術の研究開発等に取り組む。本技術を活用し、衛星等を用いた要素技術の実証実験を実施し、実用化を目指し基盤技術を確立するとともに標準化・産学との連携を推進する。⑹ テラヘルツ波ICTプラットフォーム技術Beyond 5G時代の更なる通信の高速化・大容量化が期待される将来の情報通信基盤を実現するため、テラヘルツ波ICT・センシング技術を支える計測・評価・実装・利活用を行うプラットフォーム技術の研究開発を実施する。また、以下の取組を通じてテラヘルツ波ICTシステムの社会実装に向け、周波数割り当てをはじめとする国際標準化活動等の推進に貢献する。ア テラヘルツ波ICT計測評価基盤技術テラヘルツ帯電波特性やデバイス周波数特性等の計測評価技術の開発を通じ、テラヘルツ帯電波を利用した様々なシステムの計測評価基盤を構築するとともに、テラヘルツ波ICT・センシング技術確立の加速化に向けた利用を促進する。イ 超高周波電磁波の宇宙利用技術将来的な宇宙産業化に貢献することを目指し、テラヘルツ波センシングや通信の宇宙利活用に向けた基盤技術や超小型軽量衛星センサ、電磁波伝搬モデルの研究開発と実装運用試験を行う。また、超高周波電磁波の衛星観測データ利用の高度化・利用促進を図るため、新たなデータ数理アルゴリズムを用いた衛星データ情報処理等の取組を行う。

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