302は、その予算の範囲内で、サイバーセキュリティ戦略等の政府の方針を踏まえ、機構法第14条第1項第7号の規定に基づき、機構の有する技術的知見を活用して、最新のサイバー攻撃状況を踏まえた実践的なサイバーセキュリティ演習を実施する。演習の実施に当たっては、サイバーセキュリティ基本法第13条及び第14条の規定を踏まえ、全ての国の行政機関、独立行政法人及び指定法人並びに地方公共団体の受講機会を確保するとともに、重要社会基盤事業者及びその組織する団体についても、より多くの受講機会を確保できるよう配慮する。また、地理的条件により受講機会が失われることを最小限とするよう、集合演習を全国で実施するほか、オンライン演習を拡大していくこととし、未受講となる組織・団体に対して積極的な参加を促す。あわせて、最新のサイバー攻撃情報を踏まえた演習内容の高度化、オンライン演習における学習定着率の向上等、演習効果の最大化に取り組む。さらに、機構におけるサイバーセキュリティ研究と演習業務で得られた知見等を活用し、若手セキュリティ人材の育成を行う。⑷ サイバーセキュリティ産学官連携拠点形成我が国のサイバーセキュリティ対処能力の絶え間ない向上に貢献し、社会全体でセキュリティ人材を持続的に育成していくため、サイバーセキュリティに関する情報分析・人材育成等の産学官連携の中核的拠点を形成する。具体的には、多種多様なサイバーセキュリティ関連情報を大規模集約した上で、横断的かつ多角的に分析し、実践的かつ説明可能な脅威情報を生成するための基盤を構築するとともに、生成された脅威情報を必要とする関係機関に継続的に提供する。あわせて、当該基盤を活用し、国産セキュリティ技術を機器製造事業者や運用事業者が検証できる環境を構築する。また、上記の取組を通じて、サイバーセキュリティ関連情報を多角的に解析する能力を有する高度セキュリティ人材の育成を行う。さらに、これら取組で得た最新のサイバーセキュリティ関連情報に⑶の演習で得た知見等をあわせ、これを活用した人材育成演習を民間や教育機関等が実施可能とするための基盤を構築し、民間等における自律的な人材育成の支援を行う。加えて、これら取組について、産学官の関係者が円滑かつ自主的に参画できるような枠組みを整備し、参画機関からの要望やフィードバックを反映しつつ基盤を構築し、参画機関の協力を得て運営する。⑸ パスワード設定等に不備のあるIoT 機器の調査IoT機器のサイバーセキュリティ対策に貢献するため、国からの補助等を受けた場合には、その予算の範囲内で、サイバーセキュリティ戦略等の政府の方針を踏まえ、機構法附則第8条第2項の規定に基づき、機構の有する技術的知見を活用して、パスワード設定等に不備のあるIoT機器の調査及び電気通信事業者への情報提供に関する業務を、令和6年3月31日まで実施する。その際、総務省や関係機関と連携を図るとともに、本調査の重要性等を踏まえ、調査手法や情報の安全管理に留意しつつ、より広範かつより高度な調査を行うことができるよう配慮する。1-4.ユニバーサルコミュニケーション分野誰もが分かり合えるユニバーサルコミュニケーションの実現を目指して、音声、テキスト、センサーデータ等の膨大なデータを用いた深層学習技術等の先端技術により、多言語コミュニケーション技術、社会知コミュニケーション技術、スマートデータ利活用基盤技術の研究開発を実施する。また、多様なユーザインターフェースに対応したシステムの社会実装の推進等に取り組む。これらにより、Beyond 5G時代に向けて、ICTを活用した様々な社会課題の解決や新たな価値創造等に貢献する。⑴ 多言語コミュニケーション技術「グローバルコミュニケーション計画2025」(令和2年3月31日総務省)に基づき、文脈や話者の意図、周囲の状況等の多様な情報源も活用した、ビジネスや国際会議等の場面においても利用可能な実用レベルの自動同時通訳を実現する多言語コミュニケーション技術を研究開発する。政府の外国人材受入れ・共生政策や観光戦略等を踏まえた重点対応言語の充実・拡大、2025年大阪・関西万博も見据えた新たな社会ニーズや多様なユーザインターフェースに対応した同時通訳システムの社会実装の推進等にも取り組む。これらの取組にあたっては、以下の(ア)、(イ)及び(ウ)を密接に連携させて行う。ア 音声コミュニケーション技術旅行、医療、防災等を含む日常会話の音声認識精度・音声合成音質が実用レベルに達している重点言語に関して、ビジネスや国際会議での講演及び議論等の音声を実用的な精度で自動文字化する音声認識技術を実現するため、①特に重要となる最重点言語(日英中等)に関して各言語700時間程度、その他の重点言語に関して各言語350時間程度の音声認識用音声コーパスの構築、②音声認識エンジンの低遅延化及び明瞭度が中程度の発声に対する精度の向上、
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