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30311.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第5期)11中長期計画、年度計画③音声/非音声、複数話者、複数言語が混在するオーディオストリームから発話内容を自動文字化する技術の確立を目指す。また、同重点言語に関して、翻訳結果を円滑に伝達する音声合成技術を実現するため、④肉声レベルの音声合成技術の確立、⑤自然劣化の少ない声質制御技術の確立を目指す。さらに、旅行、医療、防災等を含む日常会話の音声認識精度・音声合成音質の実用レベルへの強化が必要な重点言語に関して、日常会話等の実用的な音声翻訳に対応するため、⑥各言語700時間程度の音声認識用音声コーパスの構築、⑦音声認識エンジンの高精度化、⑧実用的な音質の音声合成技術の確立を目指す。イ 自動同時通訳技術ビジネスや国際会議等の場面に対応した実用的な自動同時通訳技術を実現するため、①低遅延の自動同時通訳を実現するための入力発話の分割点検出技術、要約等外部処理と翻訳との融合を行う技術の確立、②様々な分野における多言語の情報を日本語のみで受発信可能とする翻訳技術の確立、③対訳データ依存性を最小化する技術の確立、④一文を越えた情報(文脈、話者の意図、周囲の状況等)を利用して翻訳精度を高める技術の確立、⑤自動同時通訳の評価技術の確立を目指す。また、社会実装を着実に進めるため、⑥多様な分野でも利用可能な多言語自動翻訳の実現に向けた翻訳バンクによる大規模な対訳の構築、⑦旅行、医療、防災等を含む日常会話の翻訳品質の実用レベルへの強化が必要な重点言語を含めた対訳コーパスの構築を図る。ウ 研究開発成果の社会実装2025年大阪・関西万博を見据え、新たな社会ニーズや多様なシーンを想定したユーザインターフェースの活用を踏まえつつ、①グローバルコミュニケーション開発推進協議会等の産学官の関係者が集う場の活用、②開発した技術を利用したサービスやこれと様々な技術とを組み合わせたサービスの事業化等を希望する企業等に対する実証実験への支援、技術の試験的な提供等、③実証実験等で得られた課題や知見の研究開発へのフィードバック、④企業等が事業化に至る場合の技術のライセンス提供等による技術移転等着実な社会実装の推進、⑤開発した技術の社会実装に結びつくソフトウェアの開発及び運用により、ア及びイの研究開発成果である自動同時通訳技術又はこれと様々な技術が連携したシステムや各技術の社会実装の推進を図る。⑵ 社会知コミュニケーション技術高度な深層学習技術等を用いて、インターネット等から、複数文書の情報を融合しつつ、それらに書かれている膨大な知識すなわち社会知を、人間にとってわかりやすい形式で取得し、さらには、それら社会知の組み合わせや類推等で様々な仮説も推論する技術を開発する。また、同様に深層学習技術等を活用し、前記技術で得られた社会知や仮説、さらには用途や適用分野に合った目的やポリシー等を持つ仮想人格を用い、ユーザの興味、背景や文脈に合わせた対話等ができる社会知コミュニケーションシステムを開発する。さらに、上で述べたようなインターネット等から知識、仮説を取得する技術や、それらを活用する音声対話システム等、インターネット等の知識・情報を活用する高度なAIサービスにおいて、ユーザの要求の変動に質的、量的にエラスティックに追従し、運用コストを低減する技術を研究開発する。加えて、これらの技術によってより多様な人々が社会知をより有効に活用できる社会の実現に貢献し、また、開発した技術の社会実装を目指す。⑶ スマートデータ利活用基盤技術実世界の様々な状況を随時把握し最適化された行動支援を行うことを目的として、多様な分野のセンシングデータを適切に収集し、複合的な状況の予測や分析の処理を、個々の環境に適合させ、同時に相互に連携させながら全体最適化を行う分散連合型の機械学習技術やデータマイニング技術の研究開発を行う。これらの技術により、従来のパブリックデータに加えプライベートデータも活用した予測や分析を可能にし、データ収集・予測・分析のモデルケースを種々の課題解決に効果的に展開できるようにする。具体的には、これらの技術を用いて、地域の環境問題を考慮した安全・快適な移動や健康的な生活等を支援するスマートサービスを自治体等に展開できるよう、その開発に必要なプラットフォームを構築し、その実証を行うことにより、技術の社会実装につなげていく。1-5.フロンティアサイエンス分野次世代の抜本的ブレークスルーにつながる先端的な基盤技術の開発、深化に基づく新たなイノベーションを持続的に創

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