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304出することで、豊かで安心・安全な未来社会を支えるICTの基礎となる新概念や新たな枠組みを形作ることを目指す。このため、「未来を拓く」能力として、卓越したICT機能につながる新奇材料や構造、機能を創出するフロンティアICT技術、究極的な安全性を実現する量子情報通信技術、新しい原理や材料特性に基づきデバイスを創出する新規ICTデバイス技術、数十億年の歴史を持つ生物の仕組を解明し利活用するバイオICT技術、脳機能の解明により究極のコミュニケーションを目指す脳情報通信技術等のフロンティアICT領域技術の各研究課題において、先端的・基礎的研究開発を実施するとともに、研究開発成果の普及や社会実装を目指す。⑴ フロンティアICT基盤技術将来の情報通信において求められる周波数限界の拡大や高速化、高感度特性の実現、処理能力の高度化等、通信・センシング技術の飛躍的な発展に資する革新的ICTシステムの創出を目指し、集積型超伝導回路技術やナノハイブリッド基盤技術、超高周波基盤技術等の研究開発を実施する。さらに、人間や環境への親和性の高い生物模倣工学的手法等による新たな情報処理・通信システムの創出を目指した研究開発を実施する。ア 集積型超伝導回路基盤技術超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)について、高速化、高機能化に向けて重要となる多ピクセル化技術の研究開発を実施し、超伝導デジタル信号処理回路との融合により200~300ピクセル規模のSSPDアレイを実現し、単一光子感度のイメージングの実証を目指す。また、超伝導量子ビットの高性能化を目指し、窒化物材料を用いた超伝導量子ビットの作製、評価技術を確立する。イ ナノハイブリッド基盤技術未来世代の通信システムにおける更なる高速化・低消費電力化・広帯域化・小型化等に向けて、優れた光機能を有する有機分子と無機誘電体・半導体・金属等とのナノレベルの構造制御・機能融合技術やハイブリッドデバイスの集積化技術等のナノハイブリッド基盤技術の研究開発を実施し、超高速・超低消費電力・小型光変調器や超広帯域無線光変調器、広帯域・高感度電界センサ等の革新的デバイス・サブシステムの創出を目指す。また、デバイスの社会展開に向けて、耐久性や量産性等の実用化に向けた課題抽出とその解決に向けた研究開発等を行う。ウ 超高周波基盤技術ミリ波及びテラヘルツ波の超高周波無線通信に用いる電子・光デバイスの高性能化を進め、より高い周波数の活用を目指すとともに、Beyond 5Gを見据えた通信や高度なセンシングシステムへの利活用に向けてトランシーバのモジュール化技術、及び高速、大容量通信に関わる高安定な基準信号源の提供を可能とする光源モジュール化への基盤技術の確立を目指す。エ 自然知規範型情報通信基盤技術生物が有する極小の情報量を介した情報通信をICTに取り入れることで、Society 5.0やその先の社会において期待される人‐環境‐生物間でのシームレスな情報通信の下で予見される情報量の爆発的増加等に対応するため、自然知(あたかも知能を持つがごとくふるまう生物が内在的に有する情報処理・制御アルゴリズム)を規範とした知的情報処理技術とそれにより実現する先進的ICT分野の新技術の創出に必要な基盤的研究開発を行う。具体的には、様々な生物の階層に潜む自然知の計測・評価技術を構築するとともに、それらの情報識別・処理及び制御プロセスの解析とモデル構築を行う。また、認知科学、電子デバイス工学等の知見を融合し、自然知を規範とした知的情報処理を行うアルゴリズムやシステムを構築する。オバイオICT基盤技術人や環境への親和性の高い情報素子の提供による新奇情報通信サービスの構築に向けて、持続可能でより豊かな未来社会の実現につなげるため、生命体の分子を介した情報通信の利活用と、それらと電磁的なネットワークとの融合に必要となる、分子情報の定量化や電磁的信号への変換技術等を用いたバイオマテリアルによる情報識別・通信システムの創出に関する基盤的研究開発を行う。具体的には、現在の情報通信技術では測定や伝送が困難な、生物の化学的感覚や生物活性物質の影響等の分子に付随した情報を計測・評価するための基盤技術を構築するとともに、分子を介した情報通信システムの構成や制御に必要な要素として、バイオ材料等のソフトマテリアル活用型の新奇情報素子の作製・操作に関する基盤的技術を構築する。⑵ 先端ICTデバイス基盤技術高度なICTシステムへの活用を始めとする幅広い分野への産業応用を見据え、酸化物半導体デバイス基盤技術や深紫外光源技術の更なる高性能化・高効率化等に向けた研究開発を実施するとともに、研究開発成果の普及や社会実装

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