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30511.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第5期)11中長期計画、年度計画に向けた取組を行う。ア 酸化物半導体電子デバイス高度な情報通信社会の実現に不可欠である、半導体ICTエレクトロニクス分野の発展及び電力の高効率制御による社会の省エネルギー化の実現を目指し、酸化物半導体材料の優れた材料特性を活かした新機能先端的電子デバイス(トランジスタ、ダイオード)研究開発に取り組む。具体的には、酸化ガリウムを利用した高周波デバイス、高温・放射線下等の極限環境におけるICTデバイス、高効率パワーデバイス等の基盤技術の研究開発・高度化を行う。極限環境ICTデバイスに関しては、高周波酸化ガリウムFETの耐放射線デバイス用途に向けた開発を実施し、2025年までに実用に向けた技術的知見を得る。また、高効率パワーデバイス開発においては、縦型FETのさらなる高性能化(高効率化、高耐圧化)に取り組み、得られた成果・技術の企業への移転を図り、2030年までの実用化を目指す。イ 深紫外光ICTデバイス深紫外光の特性を利用したソーラーブラインド光通信・超高感度センシング技術等、既存の可視・赤外光技術の枠組みを超えた革新的光ICT機能の創出を目指し、深紫外光ICTデバイスに関する基盤技術の研究開発を行う。またそれらの成果を生かしつつ、深紫外光の利活用による安心・安全で持続可能な社会の実現、アフターコロナ社会で求められる深紫外光応用技術の社会展開に向けて、深紫外小型固体光源等の実用化・高度化に向けて必要な技術の研究開発を行い、2026年度末までに従来光源である水銀ランプと同等以上の性能値を実証することで、社会普及の早期実現を目指す。⑶ 量子情報通信基盤技術あらゆる計算機で解読不可能な安全性を実現する量子暗号をはじめとする量子セキュアネットワーク技術や、ノード内の信号処理も量子的に行う完全な量子ネットワークの実現を目指した量子ノード技術の研究開発を行う。ア 量子セキュアネットワーク技術量子暗号を活用することで機密情報の超長期分散保存を可能にする量子セキュアクラウド技術の研究開発と社会実装を想定したシステム化を進める。また、衛星・地上の量子暗号網を統合したグローバル量子セキュアネットワークの将来的な実現に向けて、量子暗号ネットワークの高度化・広域化、衛星における量子暗号・物理レイヤ暗号等の実現に向けた研究開発を行い、必要な要素技術を確立する。イ 量子ノード技術量子計測標準技術の高度化及びイオントラップ量子メモリへの応用と光量子制御技術、イオン-光子の研究開発により、量子ネットワークにおける量子時刻同期の原理実証を可能とする技術を確立し、イオントラップ光時計に実装する。また、新型超伝導量子ビットの実現に向けた作製・評価技術及び量子誤り訂正に必要とされる高度な量子ビット制御技術の研究開発を進める。⑷ 脳情報通信技術人間の究極のコミュニケーションの実現や、人間の潜在能力の発揮を実現することで人々が幸せを実感できる新しいICTの創出を目指して、人間の認知・感覚・運動に関する脳活動を高度かつ多角的に計測・解析する技術や、得られた脳情報を効率的に解読しモデル化する技術、及び人間の能力の向上を支援する技術等の脳情報通信技術の研究開発を実施する。また、脳情報通信技術の社会における健全な利活用・受容性の確立を念頭においた研究開発拠点機能を強化する。ア 人工脳モデル構築のための脳機能計測と解析に関する研究開発人間の究極のコミュニケーションの実現に資するため、多角的な脳活動データを取得・解析し、脳の機能全体をモデル化した人工脳を構築するための基盤的研究開発を行う。具体的には、人間の認知、情動、知覚、意思決定、運動、社会性、言語等の脳機能の分析をし、それらの相互関係の解明等に関する研究開発を行うことで、脳の高次機能も考慮した脳内情報処理モデルの構築を行う。さらに、脳内情報処理モデルの構築に必要な脳情報の分析に必須な脳機能計測技術を一層高度化するため、超高磁場MRI等の大型計測装置を用いた計測の時空間分解能を向上させる技術、MRIと脳波等の多様な手法を用いたマルチモーダル計測技術、実生活の中で多数の脳活動や行動指標を高い時間精度で同時に計測可能な小型計測装置等の実現を目指した研究開発を行う。イ 脳情報通信技術の応用展開に関する研究開発脳情報と先端ICTを組み合わせて、新たなデバイスやコミュニケーション等に応用するために必要な基盤的研究開

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